研究課題/領域番号 |
20K08992
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
大塚 弘毅 杏林大学, 医学部, 学内講師 (70439165)
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研究分担者 |
渡邊 卓 杏林大学, 医学部, 教授 (00191768)
松島 早月 杏林大学, 医学部, その他 (80231596)
大西 宏明 杏林大学, 医学部, 教授 (80291326)
苣田 慎一 杏林大学, 医学部, 学内講師 (90639791)
山崎 聡子 杏林大学, 医学部, 助教 (90782863)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 重複癌 / 家族性癌 / 遺伝性腫瘍 / RAD50 I505fs germline変異 / メダカ発がん実験 / ゲノム編集 / ゲノム不安定性疾患 / 毛細血管拡張性運動失調症 |
研究実績の概要 |
RAD50 I505fs germline変異による腫瘍原性をみるために、CRISPR/Cas9ゲノム編集システムにより本変異と同様のrad50機能ドメイン欠失変異メダカ(Δ2)を作製し、本メダカにおける腫瘍原性とMSIを検討した。Δ2メダカで腫瘍性病変の発生が確認された。また毛細血管拡張および肉芽腫、組織球浸潤といった免疫学的異常も発生していた。変異型メダカでのみ生殖細胞系列でMSIを認めたことから、本メダカではDNA修復に関与するrad50の失活によりMSIが生じ、腫瘍原性を示した可能性が示唆された。RAD50変異はゲノム不安定性から腫瘍性病変を発症させ、また毛細血管拡張と免疫異常を発症させる可能性があることが考えられる。 Δ2メダカでは、高率に毛細血管拡張を発症し遊泳異常もみられ、運動失調症の有無について調べた。レオタキシス解析にて、変異メダカの水流に逆らう遊泳の不安定性を示した。変異型では、ヒトのA-Tの小脳で認められるように、顆粒細胞が分子層に、Purkinje細胞が顆粒層に分散していた。また、正常形態のPurkinje細胞とともに、ヒトA-T患者小脳でみられる紡錘形に膨張したPurkinje細胞(torpedo)が観察された。RAD50変異はゲノム不安定性を誘発し、腫瘍発生以外にも毛細血管拡張や運動失調などのゲノム不安定疾患の症状を発症する可能性があると予想される。 RAD50変異の寿命に対する影響を検証するために変異型メダカ実験を行った。野生型に比べて、Δ2ヘテロ変異型メダカの生存期間は短かった。このことから、RAD50変異を有するヒトは寿命が短い可能性があることが予想される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
英文論文が発表されていないため。
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今後の研究の推進方策 |
英文論文を発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
英文論文掲載が遅れているため。論文掲載させる。
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