炎症性腸疾患に合併する大腸癌における遺伝子変異に基づいた新しい診断・治療法の確立

2022 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 20K09003
• 研究機関: 新潟大学
• 研究代表者: 中野 麻恵 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (20790281)
• 研究分担者: 島田 能史 新潟大学, 医歯学系, 講師 (20706460) ; 横山 純二 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (70422615) ; 中野 雅人 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (70744788) ; 小柳 英人 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (70831725) [辞退] ; 松本 瑛生 新潟大学, 医歯学総合病院, 専任助教 (30769401) ; 田中 花菜 新潟大学, 医歯学総合病院, レジデント (60745579) ; 市川 寛 新潟大学, 医歯学系, 助教 (50721875) ; 凌 一葦 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任助教 (70804540) ; 竹内 志穂 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (70422277)
• 研究期間 (年度): 2020-04-01 – 2023-03-31
• キーワード: 炎症性腸疾患 / 大腸癌 / がん遺伝子パネル検査 / 変異シグネチャー / 薬物療法

研究実績の概要

炎症性腸疾患の患者数は年々増加してきている。罹病期間の長い炎症性腸疾患では、一定の頻度で炎症性腸疾患に合併する大腸癌（Colitis-associated cancer: CAC）が発生する。CACの診断および治療に関する臨床的な課題として、診断が困難であること、薬物療法が確立していないことが挙げられる。
近年、次世代シークエンサーによる網羅的な遺伝子変異解析によって、個々の癌の遺伝子変異の特徴を詳細に知ることができるようになった。我々は、CACにおける特徴的な遺伝子変異を検出し詳細に解析することによって、CACの新たな診断および薬物療法の体系を構築できるのではないか、と考え本研究を立案した。
本研究の目的は、「CACにおいて遺伝子変異に基づいた新しい診断および薬物療法の研究基盤を確立すること」であった。
本年度では、前年度までに遺伝子パネル検査で解析したCAC 15例および散発性大腸癌203例について、両者の遺伝子プロファイルを比較した。また、CAC 15例に対してバイオインフォマティクスによる変異シグネチャー解析を行った。さらに、個々のCACの症例において、遺伝子パネル検査の診断および薬物療法への応用の可能性を検討した。また、論文や学会にて研究成果発表を行った。

研究成果

• [雑誌論文] Gene panel testing detects important genetic alterations in ulcerative colitis-associated colorectal neoplasia (2022)
  • 著者名/発表者名: Shimada Y, Nakano M, Mizuno KI, Yokoyama J, Matsumoto A, Tanaka K, Oyanagi H, Nakano M, Hirose Y, Ichikawa H, Sakata J, Kameyama H, Takii Y, Sugai M, Ling Y, Takeuchi S, Okuda S, Terai S, Ajioka Y, Wakai T
  • 雑誌名: Oncology Letters 巻: 24(6) ページ: 442
  • DOI: 10.3892/ol.2022.13562
  • 査読あり / オープンアクセス
• [学会発表] Usefulness of gene panel testing for ulcerative colitis-associated colorectal cancer (2023)
  • 著者名/発表者名: Mae Nakano, Yoshifumi Shimada, Hikaru Ozeki, Daisuke Yamai, Akio Matsumoto, Kaoru Abe, Yosuke Tajima, Masato Nakano, Kazuki Moro, Junko Tsuchida, Yusuke Muneoka, Kenji Usui, Yosuke Kano, Hirosuke Ishikawa, Hiroshi Ichikawa, Kazuyasu Takizawa, Jun Sakata, Takashi Kobayashi, Shujiro Okuda, Toshifumi Wakai
  • 学会等名: 第20回日本臨床腫瘍学会学術集会