研究課題/領域番号 |
20K09005
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
清水 智治 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70402708)
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研究分担者 |
谷 眞至 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60236677)
三宅 亨 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (70581924)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | FAPα |
研究実績の概要 |
Fibroblast activation protein α(FAPα)はセリンプロテアーゼ ファミリーに属する細胞膜蛋白質であり、分解酵素として重要な機能を果たすことが知られている。αSMAやVimentinなどと同様に癌関連線維芽細胞(Cancer-associated fibroblast:CAF)のマーカーとして用いられ、実際にCAFに発現しているが、その癌関連繊維芽細胞の多様性については未だ十分には解明されていないのが現状である。CAFに発現するFAPαはゼラチナーゼやコラゲナーゼ活性を有 し、細胞外マトリックスのリモデリングに働く。さらにT細胞やマクロファージを介して腫瘍免疫を低下させ、癌周囲環境で間質に発現するFAPαが、癌細胞の増殖や血管新生の促進、腫瘍免疫の抑制等、癌の進展に有利な微小環境を構築することが知られている。これまでに癌間質のFAPαの発現が癌患者の予後不良因子 であると報告されている。一方でこれまでに、癌細胞に発現するFAPαがどのように予後に関与しているかについては明らかでない。癌周囲環境での検討に加え、癌細胞でのFAPαの発現を検討することで、より臨床に近い検討が可能となると考えられる。したがって、本研究は臨床検体におけるFAPの発現や癌細胞におけるFAPαの機能解析を行うことを遺伝子発現を制御することで、その機序を解明し、可能であれば臨床にバイオマーカーなどでの応用を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍にともない、他の業務時間が増大し、実験に用いる時間の確保が困難であった。 また、臨床検体は確保できており、今後、臨床情報と免疫染色を進める予定である。 細胞株の樹立についても、現在進行中である。
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今後の研究の推進方策 |
5月に中国から来日する予定であり、臨床検体を用いた検討とともに、強制発現細胞株をもちいてFAPαの癌周囲環境へ及ぼす影響について検討を再開する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナにより実験計画の変更が余儀なくされた。 また、担当する中国からの留学生の入国が許可されなかったが、5月に来日する予定である。
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