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2020 年度 実施状況報告書

がん微小環境に対するPhotoimmunotherapyの前臨床研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K09009
研究機関岡山大学

研究代表者

野間 和広  岡山大学, 大学病院, 講師 (10534761)

研究分担者 白川 靖博  岡山大学, 医学部, 客員研究員 (60379774)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードがん微小環境 / 癌関連線維芽細胞 / FAP / Photoimmunotherapy / 光線免疫療法 / PDXモデル / EGFR / HER2
研究実績の概要

P-1 食道癌におけるEGFR/HER2発現の臨床病理学的検討、PDX作成:当教室における食道癌および接合部癌切除標本(年間132例×予後解析が可能である5年間程度)を用いて免疫染色を行いEGFR/HER2発現やFAPCAFsの臨床病理学的検討を行った。EGFR高発現は61.8%で有意差を持って高発現群は予後不良であった。またCAFsのマーカーであるFAPは49.2%に高発現で予後不良であった。またEGFR/FAP共に高発現群が最も予後不良な群であった。多変量解析でFAPは予後不良の予測因子であり、またEGFRは単変量にてDFSで予後予測因子を示した。それぞれをマーカーとしたDual-PITは予後を改善する可能性が示唆された。一方HER2は両群での予後に差を認めなかった。PDXモデルについては食道癌PDXモデルの2例の作成に成功した。

P-2 食道癌細胞株を標的としたPITの確立 (in vitro):食道癌細胞株(腺癌含)(TE, OE細胞株)対して各マーカー(EGFR, HER2)の解析をWB (western blot), FACS (fluorescence activated cell sorter)にて確認し、さらにその抗原に対する各種APCの作製を行いin vitroにてPIT-Cancerの効果を検証した。EGFRはTE8のみ発現し、HER2はTE4およびOE19で高発現しており、それぞれを標的としたCancer-PITは著名な細胞死を引き起こし効果を示した。一方で、WBで発現のない細胞株についてはそれぞれ治療効果を認めなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

3年間の研究期間のうち初年度として、P-1からP-2まで検証を行うことができた。予測された通りEGFRの高発現群が6割以上であること、またCAFsのマーカーであるFAPの高発現群が予後不良因子であり、またFAPとEGFR高発現群が最も予後不良因子であったことからEGFR-FAPを標的としたPIT治療は食道癌における予後を改善する可能性が示唆された。またin vitroにおいてそれぞれのマーカーに対するPIT治療はそれぞれ著明な効果があり、in vivoにおける検証に期待の持てる結果であった。また発現のない細胞株に対しては全く効果を認めず、PIT治療の細胞特異性が確認された。

今後の研究の推進方策

2年目である次年度よりP-3のSibrotuzumabを用いたCAFs-PITの確立、またP-4では上述のEGFR抗体を用いたCancer-PITの確立、さらにin vitroにて癌細胞と線維芽細胞の共培養の結果を用いて癌細胞と線維芽細胞の同時標的としたDual-targeting PITの効果を検証する予定である。また最終年度にはin vivoでの検証をCell lineを用いたXenograftまたはPDXモデルを用いた検証を行う予定である。また最終年度には論文作成や、研究成果の学術発表等を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

研究物品が予定よりも安く購入できたため。また次年度への橋渡しして行っているin vitro研究が進んでおり、次年度に培地の購入や、in vitroでのPIT使用における抗体購入として必要であったため。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 癌細胞および癌関連線維芽細胞を標的とした光免疫療法2020

    • 著者名/発表者名
      小林照貴、野間和広ほか
    • 学会等名
      日本癌局所療法研究会
  • [学会発表] A novel photoimmunotherapy for cancer-associated-fibroblasts targeting fibroblast activation protein-α ~Sunrise of targeting tumor microenvironment therapy~2020

    • 著者名/発表者名
      小林照貴、野間和広ほか
    • 学会等名
      日本外科学会
  • [学会発表] Development of novel photoimmunotherapy targeting cancer associated fibroblasts2020

    • 著者名/発表者名
      小林照貴、野間和広ほか
    • 学会等名
      日本癌学会
  • [学会発表] 癌細胞および癌関連線維芽細胞を標的とした光免疫療法の新たな開発2020

    • 著者名/発表者名
      小林照貴、野間和広ほか
    • 学会等名
      日本消化器癌発生学会

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公開日: 2021-12-27  

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