研究課題
ヒト胃癌組織において電位依存性Ca2+チャネルのサブユニットであるCACNA2D1の発現を解析したところ、癌細胞の細胞膜・細胞質に発現が確認され、高発現群の予後が有意に不良であった。次に、ヒト胃癌細胞株MKN7、HGC27にCACNA2D1 siRNAを導入したところ、細胞増殖抑制効果・アポトーシス増強効果、細胞遊走・浸潤能抑制効果を確認した。CACNA2D1 siRNAを導入した細胞株の遺伝子発現変化をmicroarrayにより網羅的に解析したところ、p53、BAX、Bcl2、caspase 3の発現変化を介してアポトーシスシグナル経路が増強されることが解明された。また、これらの結果は、RT-PCRやWestern blottingを用いてvalidationした。更に、シスプラチンによる抗腫瘍効果が、CACNA2D1阻害剤アムロジピンの併用により増強されることをin vitro、in vivoにおいて確認した。これらの研究成果は英文論文にまとめて発表した(Ann Surg Oncol. 2022)。また、胃癌細胞株MKN74から癌幹細胞を抽出し、網羅的遺伝子発現解析からCACNA2D1 とCACNB4が高発現していることを見出し、その阻害剤アムロジピン、ベラパミルの癌幹細胞増殖抑制効果についてまとめ報告した(Ann Surg Oncol. 2021)。同時に、膵癌細胞株PK59から癌幹細胞を抽出し、電位依存性K+チャネルが高発現していることを見出し、その阻害剤4-Aminopyridineの抑制効果についてまとめ報告した(Int J Oncol. 2021)。一方で、胃癌におけるAnoctamin 5 (World J Gastroenterol. 2022)、TRPV2 (Ann Surg Oncol. 2022)などのイオン輸送体の発現機能解析を行った。また、食道癌におけるNADPH oxidases 2 (Ann Surg Oncol. 2022)の発現機能解析や、ニボルマブ投与後の再発予測因子としてのリンパ球・CRP・アルブミンの意義について解析した(Oncol Lett. 2022)。更に、大腸癌における腫瘍間質比の臨床病理学的意義を検証し報告した(Dis Colon Rectum. 2022)。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 1件)
Annals of Surgical Oncology
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