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2021 年度 実施状況報告書

胃癌組織細胞外小胞の制御による癌微小環境治療に向けた基盤構築研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K09021
研究機関大阪医科薬科大学

研究代表者

李 相雄  大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (40368080)

研究分担者 辻川 和丈  大阪大学, 薬学研究科, 教授 (10207376)
谷口 高平  大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (70779686)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード胃癌 / 細胞外小胞 / Extracellur Vesicles / エクソソーム / 微小環境
研究実績の概要

本研究の目的は癌の手術標本から得られた組織由来細胞外小胞(Tissue-exudative Extracellular Vesicles:Te-EVs)の機能を解析し微小環境を中心とした癌の病態を明らかにすることである。
まずは実験系の最適化とTe-EVsサンプルの収集及び、網羅的解析の実施を行うことを計画した。手術標本からのTe-EVs回収は、1.タンパク、RNA濃度の計測、2.ウェスタンブロッティング法のEVsマーカー発現を解析、3.電子顕微鏡の形態学的観察、4.ナノ粒子アナライザによる粒度分布解析を実施した。これらの評価から解析に十分なタンパク、RNA量が収集できることが確認された。
電子顕微鏡で回収したTe-EVs、あるいは組織内におけるTe-EVsが観察された。一部にはMultivesicular body(MVB)を形成せず集団化するTe-EVsが、粗面小胞体やGolgi体の近傍に見られた。これ等の結果から、EVs形成に細胞小器官が関与している可能性が形態学的に示唆された。
癌部・非癌部Te-EVについて次世代シーケンサーを用いてmicroRNA網羅的発現解析を行い、癌特異的なmicroRNAの候補を選出した。
また、Te-EVsにCD44、CD147といった細胞外マトリックス、マトリックスメタロプロテイナーゼに関連した癌増殖因子の発現が確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

我々のマウスと乳癌細胞株を用いた先行研究から、小胞体やゴルジがEVsの形成過程に関与するという仮説を立て、形態学的検証を進めていたが、ヒト生体由来のサンプルのためか、再現性が乏しく方向性の修正を余儀なくされた。

今後の研究の推進方策

腫瘍由来のTe-EVs特異的なmicroRNAについて、機能的な解析から着手する方策とした。

次年度使用額が生じた理由

想定より当実験室にある既存の試薬物品を用いた研究遂行が可能であり、網羅的なmicroRNA解析の費用が安価で済んだ。次年度の細胞実験や抗体の購入に費用を充てる計画である。

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公開日: 2022-12-28  

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