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2020 年度 実施状況報告書

MUC1-Cを標的とした転移性大腸癌に対する免疫チェックポイント阻害剤の適応拡大

研究課題

研究課題/領域番号 20K09032
研究機関大阪大学

研究代表者

平木 将之  大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (80621036)

研究分担者 山本 浩文  大阪大学, 医学系研究科, 教授 (30322184)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードMUC1 / PD-L1 / 大腸癌 / 乳癌
研究実績の概要

免疫チェックポイント阻害剤は臨床応用が進み、多数の悪性腫瘍の治療ラインで成果を挙げている。大腸癌の領域でもその効果の検証が進められているが、抗PD-1抗体薬が適応となる転移性大腸癌は、全体の約4%であるMSI-Highのサブタイプに限られ、未だ抗PD-1抗体による治療効果は広くは期待できないのが現状である。これまでに乳癌と肺癌で高発現するMUC-1を標的とすることにより、腫瘍ごとにメカニズムは異なるものの、結果として腫瘍内のPD-L1発現を抑制し、tumor infiltrating CD8+ T cellを増加させ、マウスの皮下腫瘍に細胞死を誘導することを報告した。本研究では本邦での癌死の主因である大腸癌において過剰発現するMUC1を標的として、抗PD-1抗体による治療効果を改善させることを目的とした。まず乳癌細胞MCF7,MDA-MB468をポジコンとして、大腸癌でどの細胞がMUC1を発現するのかをウエスタンブロットで検討した。Colo205,SK-CO-1,SW620がMUC1をよく発現し、SW480とHT29は低発現であった。siRNAを2種類設計し、乳癌細胞MCF7とSK-CO-1に作用させ、MUC1をノックダウンさせた時のPDL1の発現レベルを検討した。siRNA濃度は10, 30, 50nMに、時間は24,48,72時間にふってウエスタンとRT-PCRで検討した。その結果、乳癌、大腸癌ともにMUC1とPD-L1との間に相関があることが分かった。この他にも、データベースからの分析と確認実験によって転写因子Xがこれらの分子の発現調整に関わっている可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験の種類は未だ多くはないが、細胞株6種類以上をウエスタン、RT-PCRで調べて実験系に見合う細胞株とポジコンを決定した。更にMUC1, PD-L1の複合体に参加する第3の分子についても示唆が得られ当初の見通しよりもより広い新しい知見が得られる可能性がある。

今後の研究の推進方策

PD-L1のプロモーター領域に結合する蛋白群とMUC1蛋白との相互作用について
Chipアッセイ,免疫沈降によって明らかにしてゆく。分子Xに関しても複合体を形成する可能性を追究する。MUC1の過剰発現細胞を用いて仮説モデルを検証してゆく。

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公開日: 2021-12-27  

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