研究課題/領域番号 |
20K09045
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
金沢 義一 日本医科大学, 医学部, 准教授 (60307907)
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研究分担者 |
山田 岳史 日本医科大学, 医学部, 准教授 (50307948)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 循環腫瘍DNA / LINE-1遺伝子 / 循環DNA量 / 胃癌 / 予後 |
研究実績の概要 |
胃癌根治切除後の微小残存病変(MRD)は再発の主な原因となり得る。担癌患者では根治切除後にlong cf-DNAが検出される場合はMRDあるいは可視的再発の予兆と言える。胃癌治療において、新たな再発予後因子確立を目指して末梢血cfDNA検出の意義を検討。 対象;2016年10月から2020年12月当科での胃癌手術症例を対象。方法は末梢血中cell-free DNA濃度(長/短鎖;integrity)を術前および術後1年後以上無再発あるいは再発確定後に測定。術後/術前として濃度差をintegrity比として算出し、臨床病理学的関連や腫瘍マーカー(CEAやCA19-9)を検討。 結果;症例は143例でStageI/II/III/IVはそれぞれ41/37/51/15例、各Stageの術後/術前として濃度差をintegrity比中央値(IQR)は、それぞれ0.566( 0.352)/0.696( 0.577) /1.097( 1.555) / 2.199( 1.358) で進行とともに高値で、かつI・IIとIII・IV間に有意差を認めた(P<0.001)。StageIは全症例無再発。StageII-IIIにおいて無再発/再発群におけるintegrity比(術後/術前)のcut offはROC;1.0(AUC;0.845)で、無再発群中央値(IQR)は0.690(0.469)とcfDNA濃度低下に対して、再発群では1.537(5.340)で有意に高値(P<0.001)。無再発/再発に対してsensitivity;87.0%、specificity;80.6%、accuracy;86.4%であった。 結語;cfDNA integrity術前後比において1.0以上はlong-cfDNA増加を反映し、術後MRDと腫瘍進行を示唆する。2022年3月胃癌学会ワークショップにて発表し、評価を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍にて実験助手の確保、実験資材購入などが困難でやや実験が遅延している。
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今後の研究の推進方策 |
症例を200症例以上蓄積し、目的とする胃癌進行度の新たな指標(バイオマーカー)としても結果を到達することを目標としている。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で予定していた実験が遅延していた、かつ実験資材を節約もできた。
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