研究分担者 |
高森 啓史 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (90363514)
林 洋光 熊本大学, 病院, 講師 (80625773)
山村 謙介 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (10816507)
中川 茂樹 熊本大学, 病院, 特任助教 (10594872)
宮田 辰徳 熊本大学, 病院, 特任助教 (80594887)
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研究実績の概要 |
本邦において膵癌による死亡数は年々増加傾向にあり、2017年時点では第4位の死亡数となっている。膵癌のリスク因子として喫煙、アルコール、糖尿病、膵炎、膵癌の家族歴などが挙げられているが、早期発見することは困難であり、発見時に約30%の症例は根治手術が不能な進行癌として診断される(Gemenetzis,Ann Surg. 2019) 。 根治切除可能であっても、Stage I 膵癌の5年生存率は60%前後、全膵癌の5年相対生存率は約8%と非常に予後不良な疾患である。膵癌の予後の改善は喫緊の課題といえる。膵癌の予後を不良にしている要因の一つとして化学療法の奏効率の低さにある。腫瘍組織には、癌細胞のみならず腫瘍血管や癌関連線維芽細胞(CAF)など様々な種類の細胞が存在し、癌微小環境が構成されている。癌微小環境は癌の増殖・進展に深く関わっており、新たな治療ターゲットとしても注目を集めている(Mizutani, Cancer Res, 2019.Shi, Nature, 2019 ) 。我々は、CAF による癌の増殖、進展メカニズムのひとつとして、CXCL12-CXCR4 signaling を介し転移、浸潤を促進することを報告してきた(Izumi, Int J Cancer, 2016. Miyata, Cancer Sci, 2019)。 本研究では膵癌におけるHippo pathwayおよび癌微小環境、特にCXCL12-CXCR4 signalingの役割を明らかにし、癌の増殖、進展に関わる経路を制御する可能性の ある薬剤を明らかにすることを目的とする。
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