研究課題/領域番号 |
20K09059
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
東 孝暁 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (70594878)
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研究分担者 |
高森 啓史 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (90363514)
林 洋光 熊本大学, 病院, 講師 (80625773)
山村 謙介 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (10816507)
中川 茂樹 熊本大学, 病院, 特任助教 (10594872)
宮田 辰徳 熊本大学, 病院, 特任助教 (80594887)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 癌微小環境 / 膵癌 / Hippo pathway |
研究成果の概要 |
腫瘍環境として高血糖状態に着眼し膵癌腫瘍進展の検討をした。 糖代謝異常は癌の悪性化に寄与することが知られている。本研究では高血糖状態はHippo pathway(YAP/TAZ)を介し、上皮間葉転換(EMT)を誘導し腫瘍進展に関与することが明らかになった。 In vitro、vivoにて高血糖状態はYAP/TAZ、GLUT1およびpAktの発現を介し、EMTが誘導されていた。同時に抗癌剤耐性能の獲得も確認された。YAP/TAZの発現抑制系では高血糖状態において同様の現象は確認されず、YAP/TAZが高血糖状態という腫瘍環境下におけるEMT誘導を介した腫瘍進展に大きな役割を果たしていた。
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自由記述の分野 |
肝胆膵外科、消化器癌治療
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本邦において膵癌による死亡数は年々増加傾向にある。早期発見は非常に困難であり、発見時に約30%の症例は根治手術が不能な進行癌として診断される。また根治切除可能であっても、Stage I 膵癌の5年生存率は60%前後、全膵癌の5年相対生存率は約8%と非常に予後不良な疾患である。膵癌の予後を不良にしている要因の一つとして化学療法の奏効率の低さにある。癌幹細胞や腫瘍微小環境が化学療法感受性に影響を与えることは種々の癌種で広く知られている。本研究では膵癌におけるHippo pathwayおよび癌微小環境、特に糖代謝異常の役割を明らかにし、今後の膵癌治療戦略の一つとなりうる。
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