研究課題/領域番号 |
20K09062
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
藤原 斉 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20332950)
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研究分担者 |
大辻 英吾 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20244600)
小松 周平 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (40578978)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 食道癌 / microRNA / リキッドバイオプシー / 遊離核酸 / バイオマーカー / 抗癌核酸治療 |
研究実績の概要 |
食道扁平上皮癌(ESCC)は集学的治療の進歩にもかかわらず、依然予後不良な疾患である。ESCCに対するバイオマーカーについては様々な探索がなされてきたが、未だ臨床の場で有用といえるもの少ない。我々は、2008年に血中でmicroRNA(miRNA)が極めて高い安定性を獲得してリボヌクレアーゼ活性から守られた状態であることを知り、この分野での臨床応用を目指しててきた。血中のmicroRNAを指標とした食道癌、胃癌、膵癌、肝癌等の消化器癌の次世代のバイオマーカーの探索を行い、その有用性を世界に先駆けて報告してきた (Br J Cancer 2010-2015, Gastroenterology 2012, Molecular Cancer 2019他)。今回、これまでの研究手法を基盤に、食道癌患者血中で枯渇している癌抑制型microRNAに注目し、悪性度診断、治療感受性診断を可能とする候補を網羅的に探索する。更にこれらのmicroRNAを用いて体液を介した強力な抗腫瘍効果、抗癌剤感受性回復効果の実現可能とする新たな抗がん核酸治療法の構築を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
食道癌の担患者血中で、健常人に比して血中濃度が著しく低い癌抑制型miRNAで抗がん剤感受性にかかわる候補を東レ3D geneで網羅的に選出した。血中のバイオマーカーとして報告のない4候補のmiR-323、miR-345、miR-409、miR-Xを選出した。選出された候補miR群に対して、定量的RT-PCRのtest-scale解析を行った。結果、miR-Xが候補に選出され(P=0.004)。また、miR-Xに多数例のサンプルでvalidation解析を行い、健常人群より癌患者群のmiR-Xの濃度が低く、候補miRNAの血中濃度が癌の悪性度・予後に逆相関することを確認した。miR-Xの食道癌抑制miRとしての機能解析を行い、更に詳細な解析によりCDDPに対する抗がん剤感受性に関連することを明らかにした。また、miR-XはCDDPの抗がん剤耐性に関連するABCC1をターゲットにすることも明らかにした。現在、in vivo担癌マウスモデルで、miR-X皮下投与と抗がん剤投与による解析を進行中である。
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今後の研究の推進方策 |
in vivo担癌マウスモデルで、miR-X皮下投与と抗がん剤投与による、miR-X抗がん剤感受性回復効果を明らかにする。同時に、臨床応用に向けて、マウスモデルでのmiR-Xの血中動態、臓器障害へ影響、in vivoモデルでの腫瘍内のABCC1の発現量の評価なども行う。
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