研究課題
今年度はB16マウスを用いた動物実験を行った。具体的にはB16メラノーマ細胞のtotal mRNAを抽出し,C57BLマウス由来iPS細胞より分化誘導した樹状細胞(DC)に遺伝子導入した。このiPS-DCがメラノーマに対して,特異的な細胞傷害性Tリンパ球が誘導可能か否かを検討した。具体的な研究内容は以下である。B16を拡大培養し,TRIzol RNA Isolation Reagent(Invitrogen)を用いて,total RNAを分離.さらに,Dynabeads mRNA Purification Kit(Life technologies)を用いて,total RNAからmRNAを精製した。iPS-DC分化誘導はこれまでの4step法を用いた.分化誘導したiPS-DC,およびナイーブなBMDCに,B16 mRNA transfectionを行った.mRNAの導入効率については,B16のTAAであるgp100をFACSで解析することで比較検討を行い至適mRNA量は50μlであった.続いてマウスワクチン研究を行った。iPS-DC-tumor mRNA,BMDC-tumor mRNAの作成を行った後に,各DC (各群n=10) をマウス背部皮下に接種し14日後にマウス脾臓を採取した.脾臓よりCD8+リンパ球を採取し,B16 cell lineと供培養することでCTLを誘導.CTLの細胞傷害活性をB16 を用いた51Cr-release assayにて測定した.現在マウスの背部皮下にB16を接種し,5日後に,大腿部皮下にiPS-DC-mRNA群,BM-DC-mRNA群にわけて接種し (各群n=10). mouse皮下腫瘍体積を経時的に計測し,そのin vivoワクチン効果の比較検討を行っている.現時点で作業仮説どおりiPS-DC-mRNAワクチンはナイーブなBMDC-mRNAとのワクチン効果は変わらない結果を得ている。
1: 当初の計画以上に進展している
2020年度はマウス研究を主におこなったが,すべての研究パートで作業仮説どおりの結果が得られた。2021年度は予定通りhumanの腫瘍細胞より検索したneoantigenをtargetとした研究が開始となる。
現在行っているマウスのワクチン実験が終了したら予定通りhuman腫瘍細胞を用いた本丸の実験が開始となる。当大学病院で治療を行う消化器固形癌患者を対象に,研究者から本研究内容を説明し,研究参加の同意を得ている.手術症例を対象とし,術中に切除された組織から大腸癌組織を採取し、その組織を酵素処理し,CTOS法を用いた3次元培養を行うことで癌組織のcell line化を行っている.すでに研究はスタートしており,大腸癌患者よりCTOS法を用いた腫瘍のcell line化に成功している.引き続き効率よく研究を推進していく予定である。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 12件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
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