研究課題/領域番号 |
20K09063
|
研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
尾島 敏康 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60448785)
|
研究分担者 |
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
北谷 純也 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (30596979)
中村 公紀 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (80364090)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | がんワクチン / iPS細胞 / 樹状細胞 / ネオアンチゲン / ペプチド |
研究実績の概要 |
腫瘍RNA導入iPSDCsによるin vitroにおける細胞障害活性誘導能の検討:3名の担癌患者ドナーから腫瘍RNA導入iPSDCs (iPSDCs-CTOSivtRNA)を作成した.いずれのドナーにおいてもiPSDCs-CTOS ivtRNAでの刺激により誘導されたCTLsは自己仮想ターゲットであるCTOSに対し,細胞傷害活性をみとめたが,コントロールであるiPSDCs-GFP ivtRNAにより誘導されたCTLsは細胞傷害活性を認めなかった.CTOSにCEAの発現を認めたCase 1においては,single antigen (この場合CEA)をターゲットとしたiPSDCs-CEA ivtRNAにより誘導されたCTLsにも細胞傷害活性を認めた.しかし,multiple antigenをターゲットとしたiPSDCs-CTOS ivtRNAによる細胞傷害活性よりも低かった. 腫瘍RNA導入iPSDCsによるin vitroにおけるneoantigenをターゲットとしたCTLs誘導能の検討:In vitroによるneoantigen解析を実施し12個の候補変異タンパクを選出した.ELISpot assayにおいて, 腫瘍由来ivtRNAを導入したiPSDCs- CTOS ivtRNAは,遺伝子変異の結果生じると予測された変異ペプチドの1つであるNo.9 neoantigen (STTA p.Arg300Gln QQFEVLFQSV)に対し免疫応答を示した.予測ペプチドをiPSDCsにパルスすることで作成したiPSDCs- neoantigen peptideにより誘導したCTLsでは,2つの予測ペプチドに対して免疫応答し,うち1つは上記No.9 neoantigenと同じペプチドであった.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度はネオアンチゲン解析を行った。大腸癌患者のMSIのサンプルよりネオアンチゲン候補ペプチドを12個作成し,細胞傷害活性を検討したが,そのうちのひとつのペプチドがネオアンチゲンであることが立証された。比較的に順調に研究は進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
今後はデータの整理および論文データ解析が中心となる。またネオアンチゲンのELISPOTアッセイに関しては,再現性実験を行う予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
直接経費の端数17315円につき,次年度の研究物品購入を予定しています。
|