研究課題/領域番号 |
20K09074
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
亀山 仁史 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (40626420)
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研究分担者 |
奥田 修二郎 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00512310)
廣瀬 雄己 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (10737365)
島田 能史 新潟大学, 医歯学系, 講師 (20706460)
中野 麻恵 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (20790281)
竹内 志穂 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (70422277)
中野 雅人 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (70744788)
小柳 英人 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (70831725) [辞退]
永橋 昌幸 新潟大学, 医歯学総合病院, 研究准教授 (30743918)
田島 陽介 藤田医科大学, 医学部, 講師 (30757505)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 潰瘍性大腸炎 / 回腸嚢炎 / 脂質メディエーター / スフィンゴシン-1-リン酸 |
研究実績の概要 |
内科的治療でコントロールが困難な潰瘍性大腸炎に対する外科治療として、大腸全摘、回腸嚢肛門(管)吻合術が確立している。しかし、晩期合併症としての回腸嚢炎が問題となっている。一旦、回腸嚢炎が生じるとQOLが大きく低下する。病因として、細菌学的な影響や免疫学的機序が報告されているが、明らかになっていない。 今回我々は、回腸嚢炎の病因として、細菌感染によって惹起される炎症反応に着目した。本研究の目的は、「回腸嚢炎発症に関与する細菌群の解析、dysbiosisの検証を行い、脂質メディエーターの観点から回腸嚢炎発症のメカニズムを解明し、適切な治療戦略の構築を目指すこと」とした。 令和3年度には脂質メディエーターに関する『課題研究C』を主体に研究を進める予定としていた。課題研究C「炎症関連脂質メディエーターと回腸嚢炎発症との関連」として、脂質メディエーターと回腸嚢における炎症との関連を解析した。 回腸嚢から標本を摘出した6例を対象として、スフィンゴシン-1-リン酸(S1P)の質量分析、および抗リン酸化スフィンゴシンキナーゼ1型(pSphK1)抗体を用いた免疫組織化学染色を行った。 結果として、炎症の高度であった症例でS1Pが高値を示していた。また、内視鏡的に回腸嚢内に炎症所見を認めた症例の大半(4例/5例)で抗pSphK1抗体が陽性となっていた。pSphK1によって産生されるS1Pが回腸嚢炎の発生や増悪に関与している可能性が示唆されたと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和3年度には、課題研究C「炎症関連脂質メディエーターと回腸嚢炎発症との関連」を主体に研究を進める予定としていた。本年度は、脂質メディエーターに関して、6例の解析を行い、一定の傾向が確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究結果をまとめて論文投稿準備中である。研究費は、学会発表にかかる旅費、論文投稿費などに使用する予定としている。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会等に関わる経費等の削減によって、次年度未使用額が生じた。次年度の発表や論文投稿用の経費として使用する予定である。
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