研究課題
進行胃癌に対する審査腹腔鏡の適応となる症例はこの1年間で10例を超えた。しかし、腹壁転移細胞(P細胞)および洗浄腹腔内浮遊細胞(CY細胞)がひとりの患者から採取できたのは2症例のみで、昨年の症例と加えて3症例となった。それぞれのサンプルからRNAを抽出し、さらにcDNAを作成してストックした。引き続き審査腹腔鏡対象の症例から、P細胞およびCY細胞を採取することとする。マウス実験については、昨年の経験からNOD/SCIDマウスに胃癌セルラインを腹腔内投与して腹膜播種モデル作成を試み、NCI-N87細胞である程度生着することを確認した。現在他のセルラインを用い、腹膜播種の複数のモデルを作成して、P細胞およびCY細胞が採取できるかどうかを検討中である。
4: 遅れている
コロナ禍の胃癌腹膜播種陽性の審査腹腔鏡手術症例の減少が続いている。手術枠を規制されたことにより、審査腹腔鏡を行わず手術に臨む症例や抗がん剤治療となる症例も増えたことが要因として挙げられる。胃癌セルラインを用いたマウス実験は並行して行っている。
引き続き胃癌腹膜播種を疑う患者の審査腹腔鏡検査を行い、ひとりの患者から腹壁転移細胞(P細胞)および洗浄腹腔内浮遊細胞(CY細胞)を採取していく。目標として5症例は積み上げていく予定。マウスの実験については、NOD/SCIDマウスで腹膜播種陽性モデルが作成できることは確認できたことから、複数種の胃癌セルラインを用いて検証を続ける。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件)
Journal of Gastroenterology
巻: Online ahead of print ページ: Online ahead
10.1007/s00535-022-01865-9