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2020 年度 実施状況報告書

KLF5が形づくる三次元ゲノム構造の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K09077
研究機関大阪大学

研究代表者

大塚 正久  大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (20597455)

研究分担者 山本 浩文  大阪大学, 医学系研究科, 教授 (30322184)
横山 雄起  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (60615714)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードKLF5 / 三次元ゲノム構造
研究実績の概要

KLF5はKLF (Kruppel-like factors) ファミリーに属するジンクフィンガー転写因子であり、特定の癌種 (大腸癌などの消化器腺癌や頭頸部癌などの扁平上皮癌) において発現が亢進していることが報告されている。また、大腸癌においては癌幹細胞マーカーとしても報告されている。近年、核内で構築される三次元ゲノム構造が組織特異的な遺伝子発現や、分化過程における各分化段階でのlineage-specificな遺伝子発現などを厳密に制御していることが明らかとなってきており、注目を浴びている。私達はこれまでに、三次元ゲノム構造の構築・維持にKLF5タンパクが関わっていることを見出した。そこで本研究ではKLF5タンパクによって形成される三次元ゲノム構造について最先端のゲノム解析技術を用いて詳細な検討を行い、三次元ゲノム構造を標的とした新たな癌治療法の開発に繋げることを目的とする。本年度は大腸癌細胞株2種類を用いてKLF5のChromatin immunoprecipitation sequencing (ChIP-seq) を行い、KLF5タンパクがプロモーター領域に結合している遺伝子を網羅的に同定した。さらに大腸癌細胞株2種類に対してKLF5 siRNAを投与し、RNA-sequencingを行い、KLF5によって発現が制御されている遺伝子を同定した。そして、これら二つのシークエンス結果とパブリックデータベースを用いた解析によって、KLF5タンパクによって構築される三次元ゲノム構造を介して発現が制御されている可能性がある遺伝子を絞り込むことができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画に従い、本年度は大腸癌細胞株2種類に対してChromatin immunoprecipitation sequencing (ChIP-seq) を行い、条件検討を重ねた結果、最終的に良好なシークエンス結果を得ることができた。また、KLF5 siRNA投与によるRNA-sequencingも行い、KLF5タンパクによって遺伝子周辺に三次元ゲノム構造が構築され、発現が制御されている可能性がある遺伝子を複数同定することができた。その中には大腸癌の幹細胞性や悪性度に関わる遺伝子も含まれており、今後着目していく遺伝子を絞り込むことができた。以上の通り、本年は計画していた研究が順調に進捗し、次年度へ向けた準備も進んでいる。

今後の研究の推進方策

今後は本年度の研究で絞り込んだ遺伝子に対して、in vitro engineered DNA-binding molecule-mediated chromatin immunoprecipitation (enChIP) 法などを実施し、遺伝子周辺で構築される三次元ゲノム構造の詳細な検討を行う。さらに遺伝子発現制御に関わる分子メカニズムの解明に取り組む。

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公開日: 2021-12-27  

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