研究課題
ヒト胃癌組織において、癌細胞の細胞膜・細胞質に容積感受性チャネル蛋白LRRC8Aの発現が確認された。高発現群、低発現群で比較すると発現強度は深達度 (pT)、脈管浸潤と関連した。生存解析では高発現群では低発現群に比べ有意に予後不良で、多変量解析では高発現は独立した予後不良因子であった。NUGC4、MKN74に対してLRRC8A siRNAをトランスフェクションしたところ、細胞増殖能、遊走・浸潤能が低下しアポトーシスが惹起された。Microarray解析では、p53 signaling pathwayに関与するJNK、p53、p21、Bcl-2、FASなどを含む多くの遺伝子発現が変化していた。これらの研究成果は英文論文にまとめて発表した(Gastric Cancer. 2021)。また、ヒト胃癌細胞株MKN7、MKN45にマキシアニオンチャネルのコア分子SLCO2A1のsiRNAを導入したところ、細胞増殖能が低下しアポトーシスが惹起された。免疫染色では、主に腫瘍細胞の細胞膜でのSLCO2A1高発現が確認された。一方で、胃癌におけるCACNA2D1 (Ann Surg Oncol. 2022)、Anoctamin 5 (World J Gastroenterol. 2022)、TRPV2 (Ann Surg Oncol. 2022)などのイオン輸送体の発現機能解析を行った。また、食道癌におけるNADPH oxidases 2 (Ann Surg Oncol. 2022)の発現機能解析や、ニボルマブ投与後の再発予測因子としてのリンパ球・CRP・アルブミンの意義について解析した(Oncol Lett. 2022)。更に、大腸癌における腫瘍間質比の臨床病理学的意義を検証し報告した(Dis Colon Rectum. 2022)。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 1件)
Annals of Surgical Oncology
巻: 29 ページ: 4522~4535
10.1245/s10434-022-11752-5
World Journal of Gastroenterology
巻: 28 ページ: 4649~4667
10.3748/wjg.v28.i32.4649
巻: 29 ページ: 2944~2956
10.1245/s10434-021-11132-5
Oncology Letters
巻: 24 ページ: 257
10.3892/ol.2022.13377
巻: 29 ページ: 8677~8687
10.1245/s10434-022-12384-5
Diseases of the Colon Rectum
巻: - ページ: -
10.1097/DCR.0000000000002570