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2021 年度 実施状況報告書

大腸癌関連線維芽細胞の癌悪性化および治療抵抗性促進機構の解明と新規治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 20K09088
研究機関順天堂大学

研究代表者

渋谷 智義  順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (60365616)

研究分担者 折茂 彰  順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (70275866)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード大腸癌 / 線維芽細胞 / CAFs / 浸潤・転移 / 癌オルガノイド
研究実績の概要

難治性大腸癌の転移再発に対する現行の化学療法や分子標的薬の治療効果は不十分であり、根治的治療の開発が望まれている。大腸癌の間質に多く存在する癌内線維芽細胞 (Carcinoma-associated fibroblasts : CAFs)は癌細胞の浸潤、転移や治療抵抗性獲得に関与していることが知られているが、その分子機構はまだ不明な点が多い。以前、申請者らは患者由来大腸癌細胞が単一細胞ではなく、上皮および間葉系の性質を呈した癌細胞集合体を形成することにより効率的に浸潤・転移することを明らかにした実績がある。それ故、CAFsが大腸癌細胞の浸潤・転移促進能および治療抵抗能獲得にどのように寄与しているかを明らかにする準備ができている。本研究では、大腸癌由来CAFsを抽出し、ヒト大腸癌の浸潤、転移や治療抵抗性獲得に与える影響を解明する。CAFsとヒト大腸癌細胞の相互作用を媒介する遺伝子やシグナルの同定し、大腸癌悪性化や治療抵抗性獲得を抑制する新規根治療法の基礎を前臨床マウスモデルを用いて確立することを目標とした。
『大腸癌の浸潤・転移や治療抵抗性に対し、CAFsはどのように関与しているのか?』の問いを明らかにするため、17例の手術により摘出された癌部および非癌部の検体を採取した。これらの検体を酵素処理後、primary cultureし16例でCAFsおよびコントロールの線維芽細胞のペーアーでの樹立に成功した。また、がん組織の一部を酵素処理しprimary cultureし癌オルガノイドも樹立した。臨床サンプルからの研究に必要な線維芽細胞と大腸癌オルガノイドの樹立に成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

17例の手術により摘出された大腸癌部および非癌部の検体を採取した。これらの検体を酵素処理後、primary cultureし16例でCAFsおよびコントロールの線維芽細胞のペーアーでの樹立に成功した。また、5例よりがん組織の一部を採取し酵素処理により癌オルガノイドも樹立した。研究に必要な臨床サンプルからの線維芽細胞と大腸癌オルガノイドの樹立に成功した。

今後の研究の推進方策

16例のヒト大腸癌由来CAFsおよびコントロールの線維芽細胞の樹立に成功した。検体のほとんどは術前化学療法なしに手術により採取されたものである。今後はCAFsおよびコントロールの線維芽細胞のトラスクリプトーム解析を施行し、浸潤・転移や治療抵抗性に寄与する分子の同定を試みたい。線維芽細胞と癌オルガノイドの共培養および共移植系を構築中である。

次年度使用額が生じた理由

検体より採取した線維芽細胞や癌オルガノイドの増殖が予想より遅く予定していた解析が次年度に延期されたため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Rare case of advanced rectal cancer with multiple liver and bone metastases presenting with McKittrick-Wheelock syndrome2021

    • 著者名/発表者名
      Fukushima H, Murakami T, Suzuki N, Shibuya T, Yao T, Nagahara A.
    • 雑誌名

      JGH Open .

      巻: 5 ページ: 1103-1105

    • DOI

      10.1002/jgh3.12635.

    • 査読あり

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公開日: 2022-12-28  

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