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2021 年度 実施状況報告書

GSK3βを基軸とした食道発癌機構の解明と新規治療戦略の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K09100
研究機関金沢医科大学

研究代表者

宮下 知治  金沢医科大学, 医学部, 准教授 (30397210)

研究分担者 太田 哲生  金沢大学, 医学系, 協力研究員 (40194170)
源 利成  金沢大学, がん進展制御研究所, 教授 (50239323)
島崎 猛夫  金沢医科大学, 総合医学研究所, 准教授 (50377420)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード食道発癌 / 逆流性食道炎 / がん悪性形質 / がん微小環境 / STAT3 / GSK3β
研究実績の概要

慢性炎症依存的発癌機構が明らかにされつつある。効果的な癌治療には、慢性炎症が誘導するがん細胞の悪性形質への転換とがん周囲の微小環境の制御が重要である。申請者らは胃・十二指腸液の食道への逆流手術による食道自然発癌ラットモデルを確立し、その発癌がinflammation-metaplasia-adenocarcinoma経路によることと、がん微小環境がsignal transducer and activator of transcription(STAT)3依存性に免疫抑制性細胞の浸潤によって構成されることを報告してきた。近年、glycogen synthase kinase(GSK)3βがSTAT3を活性化してがん細胞の生存や増殖を促進し悪性形質の獲得とともに、自然免疫担当細胞の不活化による微小環境の形成に関わることが示唆されている。本研究では、GSK3β阻害による悪性形質と微小環境両面の制御に重点を置いた新規治療法の可能性を検討することを目的として実験を計画した。2年目である当該年度には十二指腸胃食道逆流ラットモデルを作成し、GSK3β特異的阻害剤AR-A014418(AR)とGSK3β阻害作用を有するvalproic acid(VPA)を投与し、術後40週に達したラットから順次屠殺し、標本を摘出した。また発生したがん細胞と浸潤細胞を免疫染色やフローサイトメトリーを用いて解析している。
最終年度となる来年度はヒト食道腺癌細胞株(OE33、OE19)と、我々のラットモデルと同じ手法により自然発生した食道癌から樹立した腺癌細胞株(ESCC・DR、K14D)を用いて、GSK3b阻害剤AR-A014418による増殖活性と細胞毒性をMTTアッセイにて検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2年目である当該年度は40週を経過したラットを順次屠殺し、標本を摘出している。

今後の研究の推進方策

摘出したラットの食道および全身臓器の検索を行い、病理組織学的・分子生物学的に検討を行い、AR-A014418やvalproic acid投与による発癌抑制効果とその機序を検討する。さらにヒト食道腺癌細胞株(OE33、OE19)と、我々のラットモデルと同じ手法により自然発生した食道癌から樹立した腺癌細胞株(ESCC・DR、K14D)を用いて、GSK3b阻害剤AR-A014418による増殖活性と細胞毒性をMTTアッセイにて検討する。

次年度使用額が生じた理由

分子生物学的検討のために購入予定であった試薬の一部の購入を来年度に先送りしたため。

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公開日: 2022-12-28  

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