研究課題
UC-CRC発癌(Dysplasia-Carcinoma Sequence)とS-CRC発癌(Adenoma-Carcinoma Sequence)はこれまでの研究により、発癌過程におけるゲノム異常発症時期の違いが報告されており、エピゲノム異常であるDNAメチル化も同様の変化を起こる可能性が考慮される。また先行研究において直腸粘膜が潰瘍性大腸炎長期罹患に伴う炎症蓄積・発癌リスクを反映することから、直腸粘膜と腫瘍のメチル化程度の差を評価することにより、S-CRCとUC-CRCを鑑別可能となることを明らかにした。以上の背景から、今回、潰瘍性大腸炎や孤発性大腸癌症例における癌組織と直腸粘膜におけるDNAメチル化そのものや、その差を利用することにより、UCCRCとS-CRCを鑑別可能とするDNAメチル化マーカーの開発をすることはこれまでにない新しいアプローチとなる。またそれが便中、血清に反映されることが確認できれば診断困難な潰瘍性大腸炎癌化患者を非侵襲的検査法で同定できることが期待され、これによりUCに合併したS-CRCに対する無用な大腸全摘術を回避し、患者の腫瘍学的予後のみならず術後QOLを担保することが可能となる。多数の大腸切除検体を用いたvalidationを行い、潰瘍性大腸炎症例、孤発性大腸癌症例の組織検体よりDNAとRNA抽出を継続していき、網羅的解析で同定した候補の検索を行った。
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Journal of Clinical Medicine
巻: 11 ページ: 2617~2617
10.3390/jcm11092617
Oncology Letters
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