研究実績の概要 |
2014年1月から2016年12月に申請者の施設で行った進行大腸癌手術症例200例を対象として,大腸癌組織,正常組織におけるCAFsの活性度の評価を行っている.切除標本からHE染色により大腸癌浸潤先進部における分化脱分化の評価とともに,CAFsの活性を示すdesmoplastic reactionの評価,SMA,Collagen type I, Vimentinについて免役組織化学染色を並行して施行しているところである.上記の結果と,全て臨床病理学的因子との相関の検討を行う. 大腸癌組織、正常組織から線維芽細胞の抽出を目的として,腫瘍組織先進部と正常組織を採取する.採取した組織を培養・分離し,線維芽細胞を含む上清を再培養する.in vitroにおけるCAFsと正常組織線維芽細胞の違いに関する検討を目的として,大腸癌培養細胞株と上記のように単離したCAFsまたは正常組織内線維芽細胞を1:3の割合で培養する.続いて(1) MTT assayを施行し,増殖能の検討, (2) Wound healing assay を施行し,浸潤能の検討, (3) 培養上清にて,TGF-β,β2-integrin,VEGFについてELISAを施行し,増殖や血管新生関連サイトカインの検討を行うこととしている.癌先進部における癌関連線維芽細胞についての評価をおこなっているが, 評価する部位や用いる基準・試薬・機器によってCAFsの割合に大きくばらつきがでることが判明したため, 評価方法を再検討中である.
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