研究課題
(1) 昨年度からの継続;動脈硬化性疾患症例を主として、動脈壁のサンプル採取の進行をすすめた。1. 大腿切断/下腿切断となった下肢から得られる動脈および静脈 2. 大腿動脈血栓内膜摘除術の際に摘出されたプラーク 3. 頸動脈血栓内膜摘除術の際に摘出されたプラーク 4. 下肢動脈バイパス術の際に得られた自家静脈の余剰部 5.膝窩動脈瘤などの末梢動脈瘤の手術時に得られた非拡張部の動脈 上記に加え、 6. 動脈瘤手術時に得られる非拡張動脈 7. (対照として)瘤壁も採取した。特に大動脈瘤についてサンプル採取を行った。あくまで手術治療で切除された病変を対象とし、追加での切除は行わない。(2) In Vitroスクリーニング 得られた標本をホモジナイズし、得られた上清と382個の蛍光プローブライブラリーを反応させ、反応の高い蛍光強度の高いもの20種類をピックアップするというストラテジーで検討を進めた。特に大動脈瘤壁と大動脈瘤症例の非拡張部動脈壁をもとに蛍光プローブの酵素反応をおこない、1)発光があるもの 2) 2群間で差があるもの を選定し、20種類に絞り込でいる。(3) Ex Vivoスクリーニング 得られた標本に蛍光プローブを適応し、蛍光反応を検討した。In vitroスクリーニングで絞り込んだ20種類から、特に大動脈瘤壁と大動脈瘤症例の非拡張部動脈壁をもとに蛍光プローブの酵素反応をおこない、1)発光があるもの 2) 2群間で差があるもの を選定し、さらに5種類に絞り込みを行なっている。
3: やや遅れている
大動脈瘤症例で検討することとし、スクリーニングからおこなったため
閉塞性動脈疾患はサンプル採取が困難であるため、炎症を基盤とした硬化性病変を合併しうる変性拡張性疾患(動脈瘤)にも焦点を当てて解析する。また、In vivoでの発光状況の検討や、酵素反応の元となった物質の同定を行うべく研究を進める。
標本の採取と染色のスケジュールに遅れがあり、スクリーニングの次のステップに進めなかったため、次年度使用額が生じた。次年度には蛍光原因物質の同定を行う予定であるが、その際に必要となる試薬購入費や解析費、解析後結果の公表に伴う費用に充当する計画である。
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