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2022 年度 実施状況報告書

ヒトiPS細胞由来心筋組織の機能と成熟度の解析 ~臨床応用に向けて~

研究課題

研究課題/領域番号 20K09120
研究機関東京大学

研究代表者

小前 兵衛  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50788883)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードiPS細胞 / 細胞シート / 心筋組織 / 成熟 / 日内変動
研究実績の概要

無胸腺ラットの皮下にヒトiPS心筋細胞シートを移植することで作製したヒトiPS心筋組織を作成した。ヒトiPS心筋組織の機能を解析するために、実験動物を円形の専用の測定用ケージで飼育することで、測定用センサーを体内に埋め込み、導線を実験動物の項部から出してモニターに接続することができるようにした。
このシステムにより、心機能にしばしば抑制的に作用する麻酔薬を使用することなく実験動物が覚醒している生理的な状態で、連続的に長期間の計測が可能になった。
心筋組織の機能の成熟を評価するためには電気生理学的機能に加えて力学的機能、他にも温度などの測定環境を同時に計測できる可能性のあるセンサーも必要となる。実験動物が覚醒した状態で長期間連続して測定するセンサーは体動や心筋組織の拍動に追随できる必要がある。この条件にとって理想的と考えた平面型のナノメッシュセンサーを使用した結果、電位計測を安定して行うことができたので、内容を論文として投稿した。
しかし、センサーの作製と供給がコロナウイルス感染などの問題で不安定となったため、iPS心筋組織の表面電位は先端がコイル状になった電極で計測した。この電極でも長期間連続して表面電位を安定して測定することに成功した。そこで得られた表面電位波形はin vivoでの培養期間によって安定し、また、日内変動のような周期を認めた。この日内変動のような周期はin vitro培養下では認められなかった。
得られた結果の一部を細胞シート工学と臨床に関する複数の学会で発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナウイルスの状況で、研究活動に制限が加わった。
複数のグループで協同して研究を行っているため、いずれかのグループがが制限を受けると研究を中断せざるを得ない状況になり、研究は遅れている。

今後の研究の推進方策

ヒトiPS心筋組織の力学的機能をin vivoで計測するのに適切なセンサーはない。必要があれば、新たに共同研究を行い開発する。
電気生理学的な連続測定に関しては同一個体での経時的な電位波形の変化を解析し、組織学的、分子学的な所見の変化と関連づけて成熟過程の評価につなげる。
現状まで得られた結果をまとめて学会に報告、論文化する予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナの影響で実験計画自体が遅延しており物品費がかからなかったこと、学会などがオンライン開催になり旅費がかからなかったため次年度繰り越しとした。
徐々に現地開催も増えてきているので参加する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 再生医療による心不全治療の可能性2023

    • 著者名/発表者名
      小前兵衛、 尭天孝之、安藤政彦、嶋田正吾、山内治雄、小野稔
    • 学会等名
      第53回日本心臓血管外科学会
  • [学会発表] 移植したヒトiPS細胞由来心筋組織の生理的条件下での電位計測2022

    • 著者名/発表者名
      小前兵衛、関根秀一、後藤博志、佐々木大輔、松浦勝久、小野稔、清水達也
    • 学会等名
      第21回日本再生医療学会
  • [学会発表] Regenerative Medicine for Heart Failure Applying Cell Sheet Engineering2022

    • 著者名/発表者名
      Komae Hyoe, Shimada Shogo, Goto Hiroshi, Gyoten Takayuki, Ando Masahiko, Kinoshita Osamu, Yamauchi Haruo, Ono Minoru
    • 学会等名
      第52回日本心臓血管外科学会

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公開日: 2023-12-25  

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