研究課題/領域番号 |
20K09121
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
木村 圭一 金沢大学, 附属病院, 助教 (50372488)
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研究分担者 |
飯野 賢治 金沢大学, 附属病院, 講師 (60595453)
上田 秀保 金沢大学, 附属病院, 助教 (50743449)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 大動脈解離 / ステントグラフト |
研究実績の概要 |
本研究では、本邦において2007年に企業性ステントグラフトが保険収載される以前に、申請者の施設で開発・臨床応用していたMatsui-Kitamuraステントグラフト(MKSG)を改良し、大動脈解離急性期においてre-entryを確実に閉鎖し、任意のポイントで腹部分枝再建が可能で、内膜損傷を来しにくいステントグラフトの開発を医工連携にて目指すことを目的とする。 直径20mm、長さは10cm、網目状構造の大きさが4mmのMKステントを準備した。グラフトに関して、スリット間隔が1mm、2mm、4mmの3種類を作成し、上記ステントに組み合わせた。解離シリコンモデル(真腔および偽腔、エントリーおよび1つの分枝)を作成し、本幹にステントグラフトを挿入した。0.035 inchおよび0.018 inchのガイドワイヤーを用い、グラフトのスリットを通じシリコンモデルの分枝を選択した後、小口径ステントグラフトを分枝に挿入した。流体の可視化は様々な方法があり、医療の現場では、超音波や不可視光線を利用した超音波パルスドップラー、CT、MRIなどが一般的であるが、本研究の流体解析方法として粒子画像速度計測法(PIV)を用いた。トレーサー粒子として赤血球と同じ比重の粒子を使用し、測定を行った。PIVによる測定では、偽腔への血流を完全に遮断することはできなかったが、スリット間隔が4mmの方が偽腔血流が少ない傾向を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
粒子画像速度計測法(PIV)の測定に関する基礎実験(条件設定)を複数回行う必要があった。 また、当初は偽腔への血流遮断は可能と考えていたが、想定していた以上のエンドリークを認め、グラフト設計の見直しが必要と考えられた。
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今後の研究の推進方策 |
グラフト設計の見直しが必要と考えられた。 具体的には、単純なスリットではなく、短冊上のグラフトを少しずつ重ねる(オーバーラップさせる)方法などを考案する必要があると思われた。
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次年度使用額が生じた理由 |
グラフト設計の見直しが必要と考えられ、研究計画が遅れた。 具体的には、単純なスリットではなく、短冊上のグラフトを少しずつ重ねる(オーバーラップさせる)方法などを考案する必要があると思われ、次年度に予定している。
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