研究課題
【目的】 亜鉛欠乏は、創傷治癒遅延、心血管障害など、様々な障害を引き起こすことが知られている。我々は重症虚血肢患者の亜鉛欠乏群は亜鉛正常群に比べ救肢率、創傷治癒率、いずれも有意差をもって低値であることを既に報告している。今回、我々はその機序解明のため、マウスモデルを用いて亜鉛欠乏が血管新生能に与える影響を検討した。【方法】 野生型マウスに亜鉛欠乏食を週令3週より投与し、亜鉛欠乏モデルを作成。亜鉛欠乏(ZD)群と対照(C)群について、週令10週で左大腿動脈を結紮し、虚血肢を作成。虚血後の血管新生能を、レーザードップラー法(LDBF)による虚血肢/健肢の血流を比較した。また、活性酸素種(ROS)の検出を目的としてジヒドロエチジウム(DHE)染色と血中D-ROM濃度を測定し、血清ニトロチロシンをELISAで定量化した。筋組織中のNADPH oxidase(Nox)のサブユニット(Nox2、p22phox、p47phox、p67phox)および血管内皮増殖因子(VEGF)をRT-PCRで解析した。【結果】 ZD群では、筋線維中のDHEの発色が増強し、血中D-ROM濃度も有意に増加した。LDBFにて測定した虚血肢/健肢血流比が、C群と比較し、術後14日目以降有意に低下 していた。毛細血管密度もZD群が有意に低かった。また、ZD群は虚血組織の筋線維におけるジヒドロエチジウム(DHE)の発現は増加し、血中D-ROM濃度、血清ニトロチロシン濃度のいずれも有意に上昇した。虚血肢内転筋のRT-PCRの解析の結果、NoxのサブユニットはいずれもZD群で有意に増加し、VEGFの発現は低下した。
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