研究課題/領域番号 |
20K09125
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池田 義 京都大学, 医学研究科, 准教授 (40281092)
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研究分担者 |
川東 正英 京都大学, 医学研究科, 助教 (00837700)
山崎 和裕 京都大学, 医学研究科, 講師 (50464227)
升本 英利 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 上級研究員 (70645754)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | マイクロRNA / ドラッグデリバリーシステム |
研究実績の概要 |
近年、マイクロRNA(miRNA)が多くの生物学的プロセスにおいて重要な役割を果たし、様々な疾患の発症、病態進行にも深く関与していることが明らかとなってきた。心臓血管外科領域においてmiRNAをターゲットにした治療的介入を実現するためには、疾患動物モデルを用いた有効性および安全性の検証が必要である。我々は本研究において、大動物心血管疾患モデルを用いて、miRNAの効率的導入による新たな治療法開発における技術的基盤となる知見を得ることを目的とする。 (本年度の実績) 昨年度は大動物心血管疾患モデルでの検証の準備段階として、低酸素・虚血灌流障害によって引き起こされる心筋症に対してmiRNAが抑制効果を示すかどうかを検討するため、In vitroにおける低酸素障害再現モデルを確立した。本年度はこの低酸素障害再現モデルを用いて、ヒトiPS細胞由来心筋細胞に対するIn vitroでの虚血再灌流培養実験を行い、心筋アポトーシスを誘発すると報告されている転写因子であるEgr-1の高発現とアポトーシスの誘導をシグナル定量法、免疫染色などにより確認した。今後はErg-1に対するRNA干渉によるアポトーシス抑制を確認し、さらにEgr-1に相補的配列を有する複数のmiRNAを用いて、ヒトiPS細胞由来心筋細胞の虚血再灌流に伴うアポトーシスを抑制しうるかをIn vitroにて検討する。さらにラット心筋梗塞モデルを用いて、in vivoで同様のアポトーシス抑制効果をEgr-1抑制により認めうるかを検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は昨年度までに確立した低酸素障害再現モデルを用いて、ヒトiPS細胞由来心筋細胞に対するIn vitroでの虚血再灌流培養実験を行い、心筋アポトーシスを誘発すると報告されている転写因子であるEgr-1の高発現とアポトーシスの誘導をシグナル定量法、免疫染色などにより確認することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後はErg-1に対するRNA干渉によるアポトーシス抑制を確認し、さらにEgr-1に相補的配列を有する複数のmiRNAを用いて、ヒトiPS細胞由来心筋細胞の虚血再灌流に伴うアポトーシスを抑制しうるかをIn vitroにて検討する。さらにラット心筋梗塞モデルを用いて、in vivoで同様のアポトーシス抑制効果をEgr-1抑制により認めうるかを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予想以上に順調に実験が進み、一部経費を使用せずに今年度予定の実験を行うことが出来た。その分の経費を次年度に繰越し、実験数を追加する予定である。
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