研究課題/領域番号 |
20K09128
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
桂 春作 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (40457304)
|
研究分担者 |
濱野 公一 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60263787)
上野 耕司 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (30736070)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 細胞シート / 凍結保存法 |
研究実績の概要 |
これまでマルチウェルプレートの細胞培養容器に細胞を播種し、そのウェルの培養液を細胞保存液に置換して、マルチウェルプレートを3Dフリーザーに入れて、細胞を凍結後、-80℃フリーザーでマルチウェルプレートを保存した。そして、その保存していたマルチウェルプレートを解凍し、細胞保存液を培養液に置換して24時間または3日間培養後に、細胞の生存率を評価したところ、使用する細胞保存液を選択することで、生存率の高い結果を得ることが出来た。 その機序解明の手掛かりとして、我々は、細胞保存液を3Dフリーザーで凍結するときの細胞保存液の温度を測定することにした。 6-well plateの1ウェルに細胞保存液を2mLずつ入れ、6-wel plateの蓋上部から温度センサーがウェル内に入る装置を使用した。温度センサーはウェルの細胞保存液に浸漬するようにした。この実験では、細胞保存液は11種類を使用し、測定後、温度の冷却曲線を解析した。また、凍結装置は、3Dフリーザーとプログラムフリーザーを使用した。 細胞保存液11種類のうち10種類では過冷却現象が観察されたが、1種類の細胞保存液では過冷却現象が観察されなかった。この細胞保存液は緩慢凍結法用ではなく、ガラス化凍結法用の細胞保存液であった。これらは、凍結装置が3Dフリーザーとプログラムフリーザーの両方で共通に観察された。また、3Dフリーザーでの凍結では、過冷却現象が小さいことが判明した。これは、凍結による細胞障害が小さくなる理由であると示唆された。 3Dフリーザーでの細胞保存液の冷却曲線を解析すると、冷却速度は緩慢凍結に最適な速度である結果が得られた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3Dフリーザーによる細胞凍結で解凍後の生存率が高い機序として、3Dフリーザーによる細胞保存液の冷却では、過冷却現象が小さいことが判明した為。
|
今後の研究の推進方策 |
現在の研究で開発した3Dフリーザーによる細胞凍結方法を、細胞シートにおいても有効であるか否かを確認する。
|