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2020 年度 実施状況報告書

先天性心疾患の外科治療における生体組織工学を用いた自己結合組織膜の臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 20K09131
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

前田 吉宣  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20438203)

研究分担者 山岸 正明  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40182422)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード生体組織工学 / 先天性心疾患 / 肺動脈形成 / 自家移植
研究実績の概要

本研究の実施計画に基づき、肺動脈狭窄を有する先天性心疾患の患者で段階的手術において肺動脈拡大形成術を必要とする対象患者を選定し、当該期間中に5例に対して自己結合組織膜(in-vivo Tissue Engineered Vascular graft)作成用鋳型であるシリコン基材の埋め込み術を行った。埋め込んだシリコン基材の総数は10本でサイズは50mm長2本、45mm長4本、40mm長3本、35mm長1本だった。
埋め込み術を行った5例のうち、3例において自己結合組織膜の体内作成期間を経て次段階手術時に鋳型シリコン基材の摘出術を行ったところ、すべての症例で自己結合組織膜が良好に形成され採取することができた。うち2例において採取した自己結合組織膜を血管壁素材として肺動脈拡大形成術に使用した。
摘出術を行った3例の埋め込み期間は180日、228日、229日であった。埋め込み時および体内埋め込み期間中の有害事象(基材の感染、異物反応など)は認めなかった。
肺動脈拡大形成術に使用した症例の術後経過においても現在までのところ問題を認めていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的に該当する対象患者に選定および自己結合組織膜作成用鋳型であるシリコン基材の埋め込み術の実施は順調に施行されており、また体内作成期間を経て自己結合組織膜の採取も計画通り行えている。また計画実施において有害事象や予定外に摘出を要した症例などは認めておらず、安全性の確認も進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

本研究の実施計画に基づいて引き続き対象患者の選定と段階的手術に応じた自己結合組織膜作成用鋳型であるシリコン基材の埋め込み術の計画を立てる。
現在、鋳型シリコン基材を体内に埋め込み、次期手術まで待機中の症例においては埋め込み部位の異常など有害事象を認めないか、慎重に観察を行う。
埋め込み期間を経て自己結合組織膜を採取し、血管用素材として肺動脈拡大形成術に使用した症例においては術後経過の観察と使用部位の開存性、発育可能性および瘤化などの形態変化の有無などについてエコー検査やCT検査等にて評価を行う。また採取した自己結合組織膜の病理学的および力学的特性についても明らかにしていく。

次年度使用額が生じた理由

研究計画に沿って予定通り研究をすすめて経費支出を行い、ほぼ交付額を支出した。わずかに生じた残額を次年度分として引き続き研究をすすめていきたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 低形成肺動脈を合併する先天性心疾患に対する治療戦略 -In Vivo Tissue-Engineered Vascular Graftによる肺動脈拡大形成術の有用性-2021

    • 著者名/発表者名
      前田吉宣、山岸正明ほか
    • 学会等名
      第51回日本心臓血管外科学会学術総会
  • [学会発表] In Vivo Tissue-Engineered Vascular Graftを用いた肺動脈形成術の中期成績2020

    • 著者名/発表者名
      中辻拡興、山岸正明、前田吉宣ほか
    • 学会等名
      第56回日本小児循環器学会総会・学術集会
  • [学会発表] Midterm results of pulmonary artery plasty with in vivo tissue-engineered vascular grafts2020

    • 著者名/発表者名
      Hiroki Nakatsuji, Masaaki Yamagishi, Yoshinobu Maeda, etc
    • 学会等名
      34th EACTS Annual Meeting
    • 国際学会

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公開日: 2021-12-27  

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