研究課題/領域番号 |
20K09140
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松尾 諭志 東北大学, 医学系研究科, 助教 (10869655)
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研究分担者 |
齋木 佳克 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50372298)
正木 直樹 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (00837403)
鈴木 佑輔 東北大学, 医学系研究科, 助教 (70791698)
細山 勝寛 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (70837046)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 肺高血圧 / Muse細胞 / 肺虚血再灌流障害 |
研究実績の概要 |
本研究では肺高血圧モデルに対する肺高血圧改善および虚血再灌流障害予防について2つの検討を行う予定であるが、最初に肺高血圧改善の有無について評価を行っている。 まず、ラットによる肺高血圧モデルの作成を行い、肺高血圧モデルが作成できているかの確認を行った。60mg/kg(体重)のモノクロタリンをラットの頸部に皮下注射し、肺高血圧モデルを作成する。3週間後には肺高血圧が発症すると見込まれるが、全身麻酔、人工呼吸器による強制換気下(FiO2 0.21)に右内頸静脈からポリエチレンチューブを右室まで挿入し、右室収縮期圧を測定した。モノクロタリン非投与ラットに比べ右室収縮期圧の上昇が得られ、肺高血圧モデルが作成できていることを確認した。 続いて、Muse細胞の培養、単離を行った。Muse細胞は市販ヒト骨髄間葉系細胞(MSC; mesenchymal stem cell; Lonza社)から抽出する。ウシ胎児血清を含む培地で培養し、FACS(fluorescence activated cell sorting)を用いてSSEA-3陽性細胞をsortingして単離した。また細胞移植後の局在確認のために、あらかじめlentivirus-GFPを導入して認識を行った。 今後はモノクロタリン投与と同時にMuse細胞1.5×105cell/200μL PBSを経静脈的に投与を行い、3週、8週後で非投与群との比較検討を行う予定である。当年度は、モデル作成後3週と8週で、右室収縮期圧、酸素化能評価を行い、さらに検体採取を行い今後の評価を行う予定である。最終的に各群n=5、計30匹を使用する予定であるが、まだ、モデル作成後の8週での評価を行うために、モデルラット作成中にある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当施設の動物実験室の改修工事に伴い、実験が行えない期間があった。そのため、モデル作成が滞っており、現段階では進捗状況としては予定からはやや遅れている。しかし、今後、モデル作りが確立できることにより、評価に必要な安定したデータの積み上げ及び検体採取が可能になると思われ、次年度以降はさらにペースを上げられると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、まず肺高血圧モデルに対する肺高血圧改善の治療効果の検討を行っていく。モデル作成後3週と8週で、右室収縮期圧、酸素化能評価を行い、さらに検体採取を行い今後の評価を行う予定である。最終的に各群n=5、計30匹の評価、検体採取を行い、病理学的評価も合わせて行っていく。Muse細胞投与によってもたらされ得る抗炎症作用と内皮・血管平滑筋細胞への分化能に基づき、肺高血圧増悪過程を抑制し得るか、予後を改善し得るかどうかについて考察を深める。 肺高血圧改善の治療効果の検討が終了次第、続いて、肺の虚血再灌流障害予防について検討していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
効率的に研究を行った結果、次年度使用額が生じたが、引き続き本研究の消耗品購入に充てる。
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