研究課題/領域番号 |
20K09151
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
渡辺 太治 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (20448723)
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研究分担者 |
山南 将志 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (30438204)
井上 知也 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (50405289)
神田 圭一 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60295649)
田地川 勉 関西大学, システム理工学部, 准教授 (80351500)
上 大介 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80415588)
五條 理志 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90316745)
夜久 均 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50295648)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 生体内組織工学 / 自家移植 / 同種移植(親子間移植) / 手術室内処理 / 同日移植 / 脱細胞化処理 |
研究実績の概要 |
令和2年度に引き続き結合組織代用血管に化学処理・脱細胞化処理を加えた同種組織応用技術の開発を行った。新たに開発した物理特性計測システムを用いて、様々な検体について種々の力学的パラメータ計測を行った。 生体内組織工学代用血管をビーグル犬皮下で作成し、脱細胞化処理での処理前後の比較試験では、脱細胞後も十分な強度が保持されていることが観察された。またビーグル犬で作成した脱細胞組織を同種移植するパイロットスタディーも行い英語論文化した。 さらに臨床応用例についてもさらに長期の報告をまとめて行った。 脱細胞化プロトコールについても以前用いていた方法を見直し、全体で約7時間の処理で十分な脱細胞化が行えることを組織学的評価・DNA定量で確認した。しかし実際の同種移植臨床応用を想定するとさらに短時間の脱細胞化処理が望ましいと考えた。 グラフトが粗な構造であるため通常の生体血管の脱細胞処理よりも短時間での処理が可能と考え、様々な処理条件で処理時間の短縮を試みた。界面活性剤の灌流時間は短縮できる可能性が示唆されたが、洗浄などの全ての工程を含め顕著に短縮する事は実現できなかった。そこで、3年度はより処理効率を高めるために、還流ではなく、大量の処理液を用いて強く振盪する方法を開始した。この方法では特殊な設備が不要なため、手術室での処理が容易となり、より手技を簡便にできる可能性もあると考えられた。今年度はまだ処理方法の最適化は行えなかったため、4年度は更なる処理時間の短縮と最適化を目指し、脱細胞化処理条件の開発を行いたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究も計画通りに進み、徐々に成果報告も開始している。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度はまだ処理方法の最適化は行えなかったため、4年度は更なる処理時間の短縮と最適化を目指し、脱細胞化処理条件の開発を行いたいと考えている。 また、臨床応用例についても引き続き経過観察を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため学会がオンラインとなり旅費の計上は少なくなったため、次年度使用額が生じた。次年度、さらに動物実験を促進するために実験薬剤購入費用に充てる予定である。
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