研究課題/領域番号 |
20K09152
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
本田 賢太朗 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60508018)
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研究分担者 |
田中 篤 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (50458072)
加藤 暢宏 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (60309268)
西村 好晴 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (70254539)
湯崎 充 和歌山県立医科大学, 医学部, 客員研究員 (80405448)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 心臓血管外科止血シート |
研究実績の概要 |
本研究は、心臓血管外科手術における止血をテーマとし、新たな止血デバイスを開発するという研究である。心臓外科手術では止血は重要な課題であり、確実な、短時間での止血は手術成績の安定、患者の早期回復に大きな影響を与える。現在手術時の出血に対しては、縫合止血などの外科手技とともに、生物由来組織接着シートや、糊などが用いられている。これらの製品の使用により良好な止血効果が得られていることは事実であるが、これらの製品は人血液由来成分を利用しており、感染のriskを有すること、また非常に高価であることが問題となっている。 一方、近年の心臓手術においては、低侵襲な手術の増加に伴いより高齢の患者に対しても手術が可能となっている。手術適応年齢の拡大により医療費が高騰していることは間違いない。 本研究では、生物由来製品を使用しない生体吸収素材を用いて、より安価で感染riskのない止血シートを開発することを目的としている。止血シートの条件としては、可動性のある心臓および血管組織に安定して、止血までの一定時間固定可能であることが必要となる。 本研究では止血シートにマイクロニードルを使用することで、心臓大血管というdynamicな動きのある組織においても十分な接着効果があるのか、またシートの孔をどのような形状にし、どの程度の孔を作成することでよりfittingが良くなるのか、これらの点について動物を用いた実験を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は大血管および心筋壁用の止血シートに関して、様々な学会にも参加し現在の心臓大血管手術における止血デバイスの使用法やその材料についての知見を深めた。 同時に本年度の予定であった、止血シートのデザインコンセプトに関して、研究分担者の近畿大学 加藤暢宏教授と話し合いを行った。心筋壁でのfittingなどを考慮したflexisibilityのある形状、また動脈圧に対抗できる耐圧性も考えマイクロニードルの大きさなどのシートのデザイン作成を行った。 動物実験を行いデータの蓄積を行う予定であったが、他県への移動を要する研究となるため、実験の実施時期について現在調整中である。
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今後の研究の推進方策 |
デザインコンセプトはすでに完成しているため、動物実験を行い実際の心筋壁や大動脈壁での安定性について評価を行っていきたい。 COVID-19に伴う移動制限があり、現在は動物実験施設との実験時期を調整中である。 今年度は数回の実験を行いデザインについて評価を行う予定としている。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は当初の予定より進行させて動物実験を行う予定であった。COVID-19による移動制限により動物実験施設での研究が遂行できず、次年度使用額が生じた。 次年度の状況を見て実験遂行の予定である。
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