研究課題/領域番号 |
20K09153
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
白石 学 自治医科大学, 医学部, 講師 (10438658)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 心筋梗塞 / アポトーシス / 細胞老化 / 組織修復 |
研究実績の概要 |
近年、心筋梗塞の救命率は上昇したものの、心不全患者は増加傾向であり、死亡率も極めて高いことから、心不全の根本的な病因究明と新たな治療法の確立が急務である。本研究の目的は、心筋梗塞発症後の十分な組織修復の誘導と心機能確保のために、虚血侵襲から線維芽細胞を保護するための主要調節因子及びメカニズムを特定することであり、その線維芽細胞救済機構を利用した心不全予防の為の新規細胞移植治療法を開発することである。心筋梗塞時に障害を受けた線維芽細胞の長期的予後に対する影響も少なく無いことが予想され、本研究によって得られる研究成果は、心筋梗塞後の心不全発症の病態解明と梗塞時に線維芽細胞のダメージを抑制することに焦点を当てた新たな切り口からの治療法開発の基盤になると期待され、心筋梗塞後の生命予後向上に重要な意義を有している。 心筋梗塞発症の後、心破裂や心不全に至るには脆弱な組織修復が深く関わっている。組織修復能の改善により正常な収縮能や形態を再建することが可能となれば、心臓再生医療を展開できる。しかしながら、不完全な組織修復から心不全に陥る分子メカニズムは未だ解明されていない。我々は、虚血障害による線維芽細胞の老化やアポトーシスを制御する分子としてマクロファージが分泌するNeuregulin 1 (Nrg1) を同定した。更に線維芽細胞のNrg1受容体をブロックすると線維芽細胞の老化が進行し、心筋梗塞領域のみならず遠隔領域にも過剰に線維化が亢進すること発見し、心不全発症メカニズムの一端を解明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウイル ス感染症の影響で一時的に研究活動が制限された期間があり研究が遅延した。
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今後の研究の推進方策 |
コロナウイル ス感染症の影響で今後も、社会情勢によっては一時的に研究活動が制限される可能性もあるため、一部研究計画を変更しながら遂行していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイル ス感染症の影響で研究が遅延した。
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