研究課題/領域番号 |
20K09156
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
荻野 均 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (60393237)
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研究分担者 |
善甫 宣哉 関西医科大学, 医学部, 教授 (00206666)
松田 均 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (20294217)
湊谷 謙司 京都大学, 医学研究科, 教授 (20393241)
東 信良 旭川医科大学, 医学部, 教授 (30250559)
古森 公浩 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (40225587)
大北 裕 神戸大学, 医学研究科, 名誉教授 (40322193)
本村 昇 東邦大学, 医学部, 教授 (40332580)
志水 秀行 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (50226247)
藤吉 俊毅 東京医科大学, 医学部, 講師 (50617800)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 急性大動脈解離 / 外科治療 / 全国規模レジストリ / データベース |
研究実績の概要 |
本研究は、全国規模で悉皆性のあるNCDデータベース(日本心臓血管手術成人部門データベース(JCVSD)、血管外科データベース、日本ステントグラフト実施基準委員会データベース)の登録データを解析し、急性大動脈解離の外科治療に関する一年間の網羅的な全国規模の診療実態調査を行うことを目的する。上記データベース委員会のデータ使用・解析許可を得ると同時に、東京医科大学倫理委員会の承認を得た(T2020-0383)。次に、データ解析の中心となるJCVSDデータに関し、2021年の急性大動脈解離症例のデータ入力を対象に、発症から病院到着、到着から治療までの時間的要因、および急性大動脈解離の重篤な合併症の一つである大動脈分枝灌流障害など追加項目を設定し、全国の597施設からデータ登録。その解析結果を103rd American Association for Thoracic Surgeryにおいて、「Current Status of Surgical Treatment for Acute Aortic Dissection in Japan: Nation-wide Database Analysis」の題目で発表。論文を作成し、現在、投稿中である。なお、血管外科データベースおよび日本ステントグラフト実施基準委員会データベースの検討を予定していたが、JCVSD内のデータと重複しており、JCVSD内のデータ解析を優先した。最終的には、心臓大動脈手術全体に対する死亡・合併症リスクスコア(Japan Score)と同様に、急性大動脈解離に対する外科治療の死亡・合併症リスクのスコア化(Japan AAD scoreの策定)へとつなげることを目指す。また、「大動脈緊急症における診療体制・拠点施設の構築に向けた診療の質的評価」に関する研究へ発展させていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
項目の追加と、データクリーニング、解析が必要であったため、当初の予定より少しの遅れがあったが、概ね順調に進行し、結果をまとめ報告することができた。一年目:各々のデータベース委員会のデータ使用・解析許可を得ると同時に、東京医科大学倫理委員会の承認を得た(T2020-0383)。二年目:中心となるNCD・JCVSDデータに関し、2021年1月1日-12月31日間のデータ入力項目を追加。2021年1月1日から追加項目を含めた急性大動脈解離に対する外科治療(手術+ステントグラフト初回治療)に関するデータが、全国の597施設からJCSVDに登録された。三年目:NCD・JCVSDにおけるデータ解析を経て、2023年5月の第103回アメリカ胸部外科学会で発表し、現在、論文作成を終え投稿中である。
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今後の研究の推進方策 |
生死を中心に一年後の遠隔成績についても、項目を設定し、follow-up研究として登録を2022年1月から開始している。この結果に関しても、研究期間内にデータクリーニングと解析を行い、学会発表、論文作成へとつなげる予定である。最終的に、本疾患に対する外科治療の死亡・合併症リスクのスコア化(Japan AAD scoreの策定)へとつなげる。さらに、東京都CCUネットワーク内の急性大動脈スーパーネットワークの活動(東京医科大学倫理委員会の承認済みで実施中)や日本循環器学会内の循環器疾患診療調査(JROAD)を通して、本研究の考察の材料とすると同時に、今後の急性大動脈解離研究の更なる発展、学会への提言やガイドラインの策定へとつなげる。前者と関連して、東京都の施設からのデータの解析を追加する予定である。また、「大動脈緊急症における診療体制・拠点施設の構築に向けた診療の質的評価」に関する研究へ発展させていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
解析の追加もあり、学会発表と論文作成が次年度にずれ込んだため、次年度使用が生じた。次年度使用額は、これらの追加解析、学会発表、論文投稿に使用する計画である。
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