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2022 年度 実績報告書

誘導性肺前駆細胞を用いたBioengineered Lungの作成

研究課題

研究課題/領域番号 20K09174
研究機関東北大学

研究代表者

鈴木 隆哉  東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (80611996)

研究分担者 野津田 泰嗣  東北大学, 大学病院, 助教 (00636037)
大石 久  東北大学, 大学病院, 講師 (60451580)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード人工臓器 / 組織工学 / 肺幹細胞 / 前駆細胞 / mRNAリプログラミング
研究実績の概要

前年度に引き続いて人工的前駆細胞開発を行った。ヒト初代培養細胞を用い、 いわゆる山中4因子を含む初期化リプログラミング因子をコードしたmRNAを細胞に導入し、17日かけて極めて増殖能力の高い細胞群が出現した。ほぼ同じプロトコールを用いて血管内皮細胞と気道上皮細胞の両方からコロニー形成能の高い前駆細胞様細胞が分離された。これらはiPS細胞のようにすべての細胞に分化し得る完全に初期化された細胞ではなく、血管内皮から出発した細胞には血管内皮の特徴が、気道上皮細胞から出発した細胞は気道上皮の特徴を保ったユニークな細胞であった。
この中間的な前駆細胞は、mRNAの影響をキャンセルしもとの培養条件に戻すことにより、出発細胞に近い特徴をもった細胞に分化した。血管内皮細胞を例にとると、まず初期化因子を4日間作用させ、リプログラミング培地・幹細胞培地と順に培地変更すると、大きな細胞形態の変化はないままに成熟した血管内皮に発現する表面タンパク質CD31が急速に失われ、同時に増殖能が100倍程度高まった。これらの誘導細胞をもとの血管内皮培地に戻すと、1週間程度で自然にもとのCD31発現を取り戻すというダイナミックな変化を見せた。同様の実験は肺上皮細胞に対しても行われ、同様に肺胞上皮タンパク質の発現低下と再現というダイナミックな変化が見られた。これらの細胞を同時にマウススケール還流型臓器培養バイオリアクターに投入し、脱細胞化肺の再生を行っている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (4件)

  • [国際共同研究] トロント大学(カナダ)

    • 国名
      カナダ
    • 外国機関名
      トロント大学
  • [学会発表] mRNAトランスフェクショ ンによる誘導性ヒト血管内皮前駆細胞の作成.2023

    • 著者名/発表者名
      冨山史子, 鈴木隆哉, 鈴木有容, 村井翔, 宇井雅博, 小野寺賢, 東郷威男, 渡邉龍秋, 渡辺有 為, 野津田泰嗣, 平間崇, 大石久, 新井川弘道, 野田雅史, 岡田克典.
    • 学会等名
      第39回日本肺および心肺移植研究会
  • [学会発表] mRNAを用いたPartial reprogrammingで誘導し た前駆細胞様細胞による肺の再血管化.2023

    • 著者名/発表者名
      冨山史子, 鈴木隆哉, 岡田克典.
    • 学会等名
      第22回日本再生医療学会総会
  • [学会発表] マウス心肺ブロックを利用したバイオ人工肺作成プラットフォームの開発2023

    • 著者名/発表者名
      東北大学加齢医学研究所呼吸器外科学分野 鈴木隆哉、冨山史子、新井川弘道、大 石久、渡邉龍秋、渡辺有為、野津田泰嗣、小野寺賢、東郷威男、平間崇、宇井雅博 、村井翔、酒井勁、鈴木有容、柴田沙織、上田和典、野田雅史、岡田克典
    • 学会等名
      第39回日本肺および心肺移植研究会
  • [学会発表] Interrupted reprogrammingによる人工的前駆細胞の作成と臓器エンジニアリン グへの応用2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木隆哉、冨山史子、新井川弘道 、大石久、渡邉龍秋、渡辺有為、野津田泰嗣、小野寺賢、東郷威男、平間崇、 宇井雅博、村井翔、酒井勁、鈴木有容、柴田沙織、上田和典、野田雅史、岡 田克典
    • 学会等名
      第39回日本肺および心肺移植研究会

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公開日: 2023-12-25  

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