研究課題/領域番号 |
20K09177
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
見前 隆洋 広島大学, 病院(医), 助教 (00634081)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | がん代謝 / Oxphos / Glycolysis |
研究実績の概要 |
当初予定していたRNAシークエンスに関しては施行できていない。一方で、TCGAデータベースを用いて、肺腺癌症例におけるGlycolysis関連としてHIF1aの下流分子群、OXPHOS関連としてAMPKの下流分子群それぞれの遺伝子発現のパターンに沿ったクラスタリングを行い、がん代謝性質別に分類を試みている。現在Glycolysis型とOXPHOS型に分類できることが分かり、このタイプ別に治療開発が可能ではないかと推察される。また、いずれのタイプの特徴も持ち合わせたような腫瘍が存在することも分かった。 手術より得られたヒト肺腺癌症例のホルマリン固定パラフィン包埋より得られる薄切切片検体を用いた免疫組織学的染色は、がん代謝関連分子に対する免疫染色作業が進んでいる。癌の悪制度や患者さんの予後のデータ、遺伝子変異のデータなどと合わせて、代謝の型と臨床病理学的背景との関連を検討中である。染色の評価として、肺癌の浸潤成分や非浸潤成分それぞれにおけるタンパク発現パターンも含めて分類を行うようにしている。 肺腺癌細胞株もがん代謝関連分子の遺伝子およびタンパク発現パターンにより代謝の型が分類可能であった。これら分類された細胞株を用いた優位がん代謝を標的とした治療薬の効果に関して一定の抗腫瘍効果が認められている。使用した薬剤はミトコンドリア呼吸を標的としており、感受性の高い細胞株では正常細胞株では増殖が抑えられないような非常に低濃度でも抗腫瘍効果が認められている。また、複数の細胞株で同様の傾向が確認されている。これらの抗腫瘍効果とがん代謝関連分子の発現パターンとの関係を現在解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
RNAシークエンスが行えていない点は遅れていると言える。その他の点はやや遅れているものの、ヒト検体での免疫染色などは順調に進んでおり、全体としてやや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
ヒト肺腺癌症例における免疫染色は、がん代謝関連分子に対する免疫染色作業が進んでおり、今後臨床病理学的所見との関連を検討する予定である。 肺腺癌細胞株を用いたがん代謝を標的とした治療薬に関して今後のin vivo(PDX modelなど)への応用を考えている。また、優位代謝との関連を調べる予定。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響で予定していた学会や研究会などがweb開催となり、予定していた旅費が不要となった。 次年度以降は旅費の予定は縮小し、実験関係物品費用によりシフトして計画をたて、使用させていただく予定である。
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