研究課題/領域番号 |
20K09182
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
上田 和弘 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (90420520)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 腫瘍内間質細胞 / 原発性肺癌 |
研究実績の概要 |
本年度は腫瘍内間質細胞(CAFs)における分子・細胞生物学的特性について検討を行った。 鹿児島大学呼吸器外科で肺葉切除術が施行されたInvasive adenocarcinomaの2症例の腫瘍組織を採取し組織片の培養を行った。間質細胞の培養増幅については、採取した組織片を約1 mm3の小片に細切し、Fibronectin-Coating培養皿にて“Explant”として混合間質細胞を分離・培養し、これを一定期間継代培養して増幅させた。これにより線維芽細胞(腫瘍間質細胞; CAF)が培養増殖されることを確認した。同様に腫瘍の近傍の正常肺組織を採取し組織片の培養を行った。これにより線維芽細胞が培養増殖されることを確認した。腫瘍間質細胞(CAF)はFibronectin-Coating培養皿で継代培養を行ったが、腫瘍間質細胞はDay 14にコンフルエントになることを確認した。同様に正常肺組織の線維芽細胞も継代培養を行った。線維芽細胞も同様にDay 14にコンフルエントになることを確認し、細胞増殖速度は腫瘍間質細胞と正常線維芽細胞とで同等であることを確認した。 CAFでは細胞表面マーカーα-SMA、Vimentinが発言している一方で、正常線維芽細胞ではこれらの発現がないことを確認した。さらにCAFでは細胞表面マーカーCytokeratinが発言していない一方で、正常線維芽細胞では発現していることを確認した。現在、これらの表面マーカーの発現の程度をWBで定量評価を行なっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
技術面に関して他大学の研究者の協力を得る予定であったが、新型コロナ対策で対面での相談、指導を仰ぐことが敵わず研究はやや遅れる結果となった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は多くの腫瘍組織検体を用いて研究を推進する予定である。新たな大学院生が研究に加わり予定通りに研究が進むことが予想される。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナの影響による研究の遅れから物品購入が予定よりも少なかったために次年度使用額が生じた。次年度使用額の69332円は物品費(抗体など)に補填する予定である。
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