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2020 年度 実施状況報告書

肺癌 invasive frontの空間的病理解析による浸潤/免疫抑制機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K09184
研究機関関西医科大学

研究代表者

齊藤 朋人  関西医科大学, 医学部, 講師 (10548605)

研究分担者 蔦 幸治  関西医科大学, 医学部, 教授 (00392332)
石田 光明  関西医科大学, 医学部, 講師 (00464173)
林 美樹夫  関西医科大学, 医学部, 講師 (10368251)
赤間 智也  関西医科大学, 医学部, 准教授 (10548788)
村川 知弘  関西医科大学, 医学部, 教授 (50359626)
谷口 洋平  関西医科大学, 医学部, 助教 (50609592)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード立体病理
研究実績の概要

本研究の目的は、肺癌 invasive frontにおける①腫瘍先進部と主病巣の空間的連続性の解明、②HEVの解剖学的局在・立体構築の解明、および③HEV形成阻害機構の解明である。
①については3次元病理解析のための症例選定を行った。まず、当院で切除した肺癌症例420例(申請時より10例除外)を対象に、脈管侵襲(ly, v)を評価し、脈管侵襲が顕著だった症例をパイロット試験の対象とした。パイロット試験は微小乳頭型肺腺癌を含む2例を対象として行い、脈管侵襲部位の3次元可視化を行った。この結果、主病巣とinvasive frontとの連続性が示唆された。より明瞭な可視化のためにはp53、p40、HNF4α、chromogranin、synaptophyisnなどの肺癌特異マーカーが強陽性の症例を選択する必要があると思われた。②HEVの解剖学的局在の同定に関しては、まずHEVが存在すると推定される症例のwhole sectionを用いた染色を行うこととした。その候補としてi)進行がん(pStage IIIA)であるにもかかわらず長期無再発生存を得た症例、ii)多形癌であるにもかかわらず長期無再発生存を得た症例、iii)強い炎症を伴う肺癌症例、iv)その他:PD-L1陽性 cancer-associated fibroblastを伴う症例 などを選定し、今後染色を行う予定である。結果に基づき、HEVの免疫染色(PNAd)を420例に拡大して行うか判断予定である。
2020年度計画の遅れを考慮し、並行して、2021年計画の一つである肺癌 invasive frontにおけるHEV形成阻害関連バイオマーカーの同定にむけた準備(microdissectionの習熟等)を先んじて進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ禍の影響で物品入手に予想以上の時間がかかったうえ、研究代表者、研究分担者が本研究に費やすことの出来る時間が大幅に減少した。また、3次元病理解析用のPCの不具合のため、解析に想定以上の時間が必要と思われた。これらの影響により、3次元病理解析は2例、420例全例での脈管侵襲の再評価は完了したものの、HEVの同定は完了していない。いっぽう、本年度の計画である肺癌 invasive frontにおけるHEV形成阻害関連バイオマーカーの同定の準備は進めており、総じて当初の2020年度計画よりやや遅れていると判断した。

今後の研究の推進方策

①3次元病理解析の症例選定、免疫染色法の工夫を行い、主病巣と病変先進部invasive frontの可視化と連続性の検証を行う。この目的を達するために、既に得られている検体において肺癌マーカー(p53、p40、HNF4α、chromogranin、synaptophyisn)の染色状況を予め確認するステップを設け、より適した症例を選定できるよう工夫する。
②HEVのパイロット試験の結果を踏まえ、可能であればTMAでの染色を行って、HEVの密度の測定、予後との関連を検証する。
③上記②の結果HEV強陽性症例を同定し、それらと対照を用いHEV関連バイオマーカーの同定を進める。
④上記③で同定された因子の免疫染色可能性を検討し、可能であれば免疫染色によって細胞内局在を同定する。

次年度使用額が生じた理由

研究計画に比し実施状況が遅れたことにより、支出額が当初予定の90.6%となった。
このため、2021年度へ繰越し、特に価格の上昇が懸念されるnCounter関連の消耗品購入に充てる予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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