研究課題/領域番号 |
20K09196
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
谷西 秀紀 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (40509428)
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研究分担者 |
小林 求 岡山大学, 大学病院, 講師 (00457219)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 一酸化窒素吸入 / ラット中大脳動脈閉塞 / 神経学的評価 / 包括的神経学的スケール / 脳保護 |
研究実績の概要 |
本年度は吸入一酸化窒素(NO)の麻酔回路への組み込みシステムの構築に追われた。当初、臨床における肺動脈拡張目的のNO吸入療法と同様、人工呼吸器の患者側に側管からのNO組み込みにトライしたが、ラットの血液ガスの値が安定せず、NO検知器を用いて吸入NO濃度を測定するとNO濃度の変動が大きいことが判明した。人工呼吸器の手前側に側管をつけることも試したが、NO検知器上のNO濃度の変動が大きくその原因をなかなかつかむことができず、現在も試行錯誤が続いている状況である。おそらく回路の総流量に対するNOの側管からの投与量が少ないことが原因と考えられ、今一度NOボンベの濃度と側管投与の流量の再調節が必要である。吸入NO濃度の安定化に予想以上の時間を要してしまっているが、ラット中大脳動脈モデルはすでに完成しており、吸入NO流量が確定でき次第早期にパイロットスタディに入る予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年春からの新型ウイルス感染症による緊急事態宣言で一時研究室内での実験自体が中断したこと、また吸入NO投与回路の確立に予想以上の時間がかかってしまったことが主な要因である。
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今後の研究の推進方策 |
早期にNO吸入が一時的(90分虚血)中大脳動脈閉塞ラットにおける神経学的予後に与える影響についての検証を開始し、次年度中に虚血中のNO吸入が虚血7日後の神経学的予後にあたえる影響についての研究は完了させたい。再灌流後のNO吸入については、現在の計画では翌日投与も含め4群で計画をしているが、実験の進行状況によっては群分けをもう少しシンプルに、例えば3群間に絞る必要が生じるかもしれない。
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次年度使用額が生じた理由 |
NO吸入に必要な回路に要した費用が多く、実際の実験が開始されていないために使用額が少なくなっている。2021年度はNO回路の構築にもう少し費用が必要であること、また実際に動物を用いた実験を開始する予定であり、次年度使用額はこれらの基礎実験にかかわる物品費などに使用する予定である。実験自体が軌道に乗れば使用額は増えていくものと考えている。
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