研究課題/領域番号 |
20K09197
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
山下 理 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (20610885)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 水素ガス / 中大脳動脈閉塞 / 虚血再灌流 / 四肢虚血 / リモートプレコンディショニング |
研究実績の概要 |
脳虚血における四肢虚血リモートプレコンディショニング(Limb ischemic remote preconditioning; LIRP)の条件付けの検討を行った.虚血耐性を引き起こす有効なプレコンディショニングとするためには閾値があると考えられ,どれくらいの時間・間隔でどの程度繰り返すか,時間と頻度が問題となる.これまでの報告では10分程度の虚血を複数回繰り返すと,神経保護効果を認めるようであるが,その最適な条件は確立されておらず,その機序も未だ解明されていない.四肢虚血の方法は手術中に施行するターニケットと同様であるが,ヒトでは2時間を超過すると神経学的障害が起こりうるとされ,2時間以内に解除される.これはラットでも同様のようで2時間を超過すると不可逆的な神経障害が発生し,1時間でも組織学的に浮腫や炎症細胞浸潤を認めるようである.パイロット研究では連続1時間のターニケットの使用で明らかな神経学的障害を認めなかったのでこの時間を上限として,次の4群に分けて神経保護効果を検討することとした.①10分ターニケット+2分再灌流を6回,②20分ターニケット+5分再灌流を3回,③30分ターニケット+10分再灌流を2回,④60分ターニケットを1回,それぞれ60分後に2時間の中大脳動脈閉塞による虚血を施行した.サンプルサイズは各郡12匹として施行したが,当該年度中には完了せず,翌年度に持ち越しとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度は研究室の仮移転・移転があったため,十二分に研究課題を行う時間・場所がなかった.またコロナ禍で関連学会等に参加して意見交換や新たな知見の習得も行うことが出来なかった. 四肢虚血リモートプレコンディショニングの条件付けが終了しておらず,来年度へ持ち越しとなったためやや遅れているとした.
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今後の研究の推進方策 |
四肢虚血リモートプレコンディショニングの至適条件付けの確認を行い,神経保護効果を認めた6%高濃度水素ガスを併用することによる神経保護効果の修飾を検討する.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響で学会参加がなく,その分の旅費が使用されずに次年度使用額となったが,実験関連の試薬や動物購入費に充てる予定である.
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