研究課題/領域番号 |
20K09205
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
徳嶺 譲芳 杏林大学, 医学部, 教授 (70274909)
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研究分担者 |
中澤 春政 杏林大学, 医学部, 准教授 (10458888)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 輪状甲状間膜穿刺 / 外科的気道確保 / 気道確保困難 / 気道エコー / 超音波ガイド |
研究実績の概要 |
本研究は、気道確保困難症例に対する外科的気道確保のうち、麻酔科医が実施可能な輪状甲状間膜穿刺キットを開発することにある。特に、麻酔科医は切開よりも穿刺に長けているため、キットの構造は「穿刺針」となるよう計画した。この穿刺針が超音波ガイド下に行えるように設計した(渡辺英伸, 他. 超音波ガイドによる輪状甲状間膜穿刺法の開発. 第16回日本医学シミュレーション学会学術集会, 栃木, 2021年1月23日)。超音波ガイドで行う理由は、超音波による観察で、輪状甲状間膜が正しく同定されると言う、多くの気道エコーの研究結果に基づいている。プロトタイプの構造は、細い針を用いたセルジンガー法を採用し、短時間で穿刺が終了するように、ガイドワイヤー挿入後直ちに穿刺口の拡大(ダイレーション)ができるように設計した。その際に、ダイレーターの切り口は、輪状甲状間膜周囲の血管の解剖に留意し、尾側及び側方になるようにした。以上の構造のプロトタイプが完成し、今後の性能検査に移る段階である。 それと並行し、気道エコーに適したシミュレータの開発をおこなっている(箱根雅子, 他. 気道エコーのためのシミュレータの開発. 第4回気道管理学会学術集会, 東京. 2021年1月22日)。 プロトタイプの性能検査は、解剖体への応用及びシミュレーション・トレーニングでの市販品(従来品には、超音波ガイド法による輪状甲状間膜穿刺キットは存在しない)との比較試験を行う予定である。このために、穿刺時の圧力を測定する精巧な圧力測定装置を選定中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
輪状甲状間膜穿刺キットは、針・穿刺口拡張器(ダイレーター)・挿入カニューラで構成されている。針の部分は、先端の曲がったTuohy針の構造(14G)であり、ガイドワイヤーがスムーズに挿入できるような針の加工が必要であり、ダイレーターは金属加工、さらに挿入カニューラは、ダイレーターと段差なく作られている必要があるため、精密なビニール加工が必要とされる。コロナ禍で、制作を担当した企業の制作が円滑に進まず、各企業の足並みが揃わなかったため、制作に難渋した。このため制作期間が予定より大幅に延長してしまった。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究計画として、超音波ガイド下輪状甲状間膜穿刺キットの性能を検査すべく、解剖体での使用を準備中である。解剖体は、生体に近い固定液を用いることを考えている。また、その際の穿刺の圧力を市販品と比較する予定である。 コロナ禍が終焉したら、研修医や医学生に対するシミュレーション・トレーニングを行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により、超音波ガイド下輪状甲状間膜穿刺キットの試作品の作成が大幅に遅延した。これは、製作を依頼した会社のコロナ禍での製作工程の遅延による。また、このキットの製作には、金属加工だけでなく、針の加工を専門にする会社、また、プラスチックの加工を行う会社など、いくつかの会社にパーツを依頼したことが、遅延がさらに増大した原因となっている。現在、解剖体での研究を計画中で、これについては計画通り行えるが、他社の製品との比較は、シミュレーション研究で行う予定であり、これには、今後のコロナ禍による集合型研修が行えるか否かによる。
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