研究課題/領域番号 |
20K09208
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
小森 万希子 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (60178332)
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研究分担者 |
上田 圭子 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (30867560)
冨澤 康子 東京基督教大学, 共立基督教研究所, 協力研究員 (00159047)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 敗血症 / 心筋障害 / トロンボモジュリン |
研究実績の概要 |
近年の集中治療の発展にもかかわらず,敗血症の死亡率は依然として高い。敗血症における心機能障害は1980年代の中頃に最初に報告され、現在では,重症敗血症の診断基準にも心機能障害が入っている。心機能障害の程度は,敗血症の予後を左右する因子のひとつである。様々な動物実験で敗血症性心筋障害のメカニズムは明らかになりつつあるが,現時点では十分に有効と言える治療法は存在しない。本研究は、マウスの敗血症モデルを作成し、心機能障害の程度を心臓カテーテル検査および心臓超音波検査などを用いて経時的に測定し、敗血症に対する治療の効果を判定する。 <方法>腹腔内へlipopolysaccharide(LPS)を投与,生存率,心機能障害,プレセプシンサイトカインの血中濃度の差を検討する.プレセプシンの血中濃度は,炎症反応の程度と良く相関すると考えられている。 体重25-30 gのstd:ddy系雄性マウスを用いる。LPS(Escherichia coli; Difco, Detroit, USA)は生理食塩水で2.0 mg/mlの濃度に溶解し,ろ過滅菌後に20-30mg/kg body weightを腹腔内に投与する.、LPS投与前、投与24時間後、48時間後に生存率,心臓カテーテル検査、心臓超音波検査、プレセプシン、サイトカインの血中濃度を検討する.注射時、検査時は吸入麻酔薬(イソフルラン 2-5%)で麻酔を維持する。敗血症性DICの治療に使用される抗凝固・抗炎症作用をもつ遺伝子組み換えトロンボモジュリン製剤投与の有無で比較検討する。さらに病理標本を作成し、比較研究する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究はおおむね順調であるが、あとは統計処理とバイオマーカーの選定が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
マウスの敗血症モデルの作成に成功した。マウスの心臓超音波検査および心臓カテーテル検査を施行することができるようになった。サイトカインの一部を測定している。他のバイオマーカーの測定を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
バイオマーカーの検査料および学会での成果発表。
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