研究課題/領域番号 |
20K09213
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
猪股 伸一 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10282352)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 麻薬性鎮痛薬 / 個人差 / エピジェネティクス / 一塩基多型 / DNAメチル化 / STR |
研究実績の概要 |
エピジェネティクスに注目したDNAメチル化およびゲノムの反復配列(STR)分析手法を用いたオピオイドシステムの解析は、麻酔科領域では最初の研究となるため研究を進めている。 麻薬性鎮痛薬には効果と副作用に個人差があり、呼吸抑制など危険な副作用がある。痛みに関する麻薬遺伝子やイオンチャネルの一塩基多型(SNP)解析を行ってきたが、SNP研究の先にはエピジェネティクスが最新遺伝子研究領域として存在する。悪性腫瘍や喘息のメカニズムとリスク因子について、エピジェネティクスに注目した報告が出始めており、今回これに注目し、正確な薬物の作用における個人差の解明、また安全な投与プログラムを構築を目標に研究を進めている。 内因性リガンドNociceptin(疼痛促進作用)のOPRL1受容体、依存関連として染色体11q23、5’-末端側に存在するDopamine受容体D2遺伝子(DRD2)と対側3’領域のANKK1、加えてμ-オピオイド受容体遺伝子OPRM1のpromoter領域におけるDNAメチル化も依存に関与するためDNAメチル化率とSTR 解析とを調べることで、網羅的に把握すべく研究を進めた。 最新の分析法を確立することができ、さらに対象を広げ解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最新の分析法を確立することができ、概ね順調と判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
DNAメチル化率とSTR 解析をさらに進めていく。 麻薬性鎮痛薬の必要量や副作用、既往症との関連性とも合わせ、網羅的かつ革新的な研究とすることができる。 最新の分析法と解析プログラムを開発、これを用い、オピオイドシステムにおける個体差のメカニズムを解明、最適な投与プログラムを策定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19(新型コロナ)の影響で、学会出張がなくなったため。 最新の分析法を確立させ、さらに対象を増やして解析を進める。そのための試薬などの購入に際し、ルールを遵守し適切に使用していく。
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