研究課題/領域番号 |
20K09220
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
関野 元裕 長崎大学, 病院(医学系), 准教授 (40380927)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 小腸粘膜細胞傷害 / 腸型脂肪酸結合蛋白 / 敗血症性ショック / 心臓手術 / 末梢循環 / エンドトキシン吸着療法 / 輸液管理 |
研究成果の概要 |
本研究では人工心肺下心臓手術患者において、人工心肺時間(低灌流時間)の延長、ノルアドレナリン使用量の増加などの因子が小腸粘膜細胞傷害発生の要因となる可能性を明らかにした。加えて、敗血症性ショック患者において、小腸粘膜細胞傷害の併発は治療開始後早期の輸液バランス増加に有意に関連することを示した。また、末梢循環不全と腸管血流の低下や腸管虚血には関連があるとの背景から、末梢循環不全の改善が患者予後の改善に繋がる可能性がある。末梢循環不全を呈した敗血症性ショック患者においてエンドトキシン吸着療法は、ノルアドレナリン、バソプレシンの投与量を有意に低下させ、末梢循環を改善させる可能性があることを示した。
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自由記述の分野 |
集中治療医学、麻酔科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
重症患者における小腸は「the motor of critical illness」と称され、予後悪化の原因となっていると考えられてきた。しかし、小腸傷害に特異的なバイオマーカーや画像検査は臨床現場において使用不可能で、予後悪化との関連を科学的に証明することは困難であった。 本研究は、小腸粘膜細胞傷害の指標である腸型脂肪酸結合蛋白(I-FABP)を用いて、心臓外科術後患者や敗血症性ショック患者を対象に予後との関連に加え、小腸粘膜細胞傷害に関連する因子を明らかにする基礎研究となった。また、前記患者群における輸液管理における工夫や腸管血流の改善を目指した治療に関する治験を得ることができた。
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