| 研究課題/領域番号 |
20K09221
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| 研究機関 | 長崎大学 |
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研究代表者 |
稲冨 千亜紀 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (20508444)
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| 研究分担者 |
李 桃生 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (50379997)
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| 研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 循環・高血圧 / 虚血再灌流傷害 / 高濃度酸素 / 幹細胞 |
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| 研究実績の概要 |
11-12週齢のオスの健常C57BL/6マウスを100%酸素に20・60分間曝露し、3・24時間後に末梢血から単核細胞を分離後、骨髄由来幹細胞数（c-kit陽性幹細胞）をflow cytometryで解析し、それぞれの群で骨髄由来幹細胞数はコントロール群と比較し有意に増加していた。しかし、同条件での末梢血の単核細胞のコロニー形成アッセイでは60分間曝露群でコロニー形成数が3及び24時間後ともにコントロール群と比較し有意に減少していた。また同条件でのマウス血漿中の血管内皮増殖因子(VEGF)の経時的変化をELISA法で測定し、コントロール群と比較し20及び60分間曝露群で3時間後にVEGFの有意な減少が認められた。次に、100%酸素に60分間曝露したマウスの24時間後の血漿中の炎症性サイトカイン(CXCL6等)をプロテインアレイで検出し、CXCL6の上昇が認められた。さらに、100%酸素に60分間曝露した3時間後のマウスで心臓虚血再灌流モデル（全身麻酔下に気管挿管後、左開胸し冠動脈前下行枝を30分結紮後に再灌流）を作製し、3・ 14日後のマウスの心筋組織でマッソントリクローム染色と抗Ly６g抗体や抗CD11c抗体を用いた免疫染色を行った。コントロール群と比較し60分間酸素曝露群では3日後にLy６g陽性好中球とCD11c陽性単核球の動員が認められ、14日後に心筋の線維化面積の増加が認められた。以上より、長時間の酸素曝露は健常マウスで幹（前駆）細胞の動員と機能障害を引き起こし、炎症反応を増強し心臓の虚血再灌流傷害を悪化させることが認められた。データをまとめ論文を作成し、Journal of Cellular Physiologyに投稿し受理され、掲載予定である。今後は、マウスの虚血再灌流傷害モデルでの心筋の免疫抗体染色を行い、より詳細な分子・細胞機序を明らかにする。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウスの実験モデルは以前の実験でも同様に作製しており、既に確立されていたためスムーズに実験を行うことができたため。
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| 今後の研究の推進方策 |
これまでの実験で準備・方法は確立しており、今後もマウスの虚血再灌流傷害モデルでの心筋の免疫抗体染色を行い、より詳細な分子・細胞機序を明らかにする。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
既に使用していた鑷子や鉗子などの手術器具や抗体などの試薬を使用し、予定していた試薬・器具等を購入しなかったため。
今後は実験動物であるマウスやマウスの心臓虚血再灌流傷害モデル作製に必要な器具、採取した心筋組織の切片作製・染色に必要な物品・試薬を購入予定である。
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