研究課題/領域番号 |
20K09222
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
山本 達郎 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (20200818)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | α2δ-1受容体 / ホルマリンテスト / 炎症性疼痛 / 鎮静効果 / 脊髄 / 上位中枢 |
研究実績の概要 |
α2δリガンドとして、ミロガバリンを使用した。ミロガバリンは日本で開発され、臨床応用されている薬物であり、以前から臨床使用されているプレガバリンと同様に、神経障害性疼痛に対して良好な鎮痛効果が報告されている。 α2δリガンドは神経障害性疼痛に対して適応があり、頻用されている。しかしながら、その鎮痛に対する作用機序に関しては不明な点が多い。今まで、特に脊髄での効果がクローズアップされてきたが、上位中枢に対する効果は不明な点が多い。今回の研究では、ラットを用いて、痛みモデルとしてホルマリンテストを使って検討を進めた。 ミロガバリンは、経口投与・髄腔内投与すると投与量依存性の良好な鎮痛効果が得られた。経口投与では、特に投与1時間、2時間では効果が得られなかったが、4時間で強い鎮痛効果が得られた。一方、脳室内投与すると鎮痛効果が得られなかった。 上位中枢の効果として、行動に対する効果を検討している。現在のところ、全身投与すると移動距離が投与1時間後から抑制されることが確認された。このことは、ミロガバリンは上位中枢・脊髄の両方に作用するが、鎮痛は脊髄に対する効果であり、行動に対する効果は上位中枢であることが示唆するものと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2年目で、鎮痛効果と行動に対する抑制効果が異なる作用機序で起こっていることが確認された。このことは、仮説と一致する結果であり、今後はさらにこの結果を補強する研究を追加し、論文化することが出来る。
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今後の研究の推進方策 |
さらに、行動に対する効果を検討していく。さらに、結果をまとめて、論文化する。
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