研究課題
基盤研究(C)
新規のα2δリガンドであるミロガバリン(MG)を用いて、鎮痛作用の作用部位と鎮静作用(投与後の移動距離にて評価)の作用部位の違いを検討した。MGは経口投与1時間、2時間では鎮痛効果を示さないが4時間後に鎮痛効果を発揮した。移動距離は経口投与1時間、2時間、4時間で減少した。髄腔内投与では鎮痛効果を示したが、移動距離には影響しなかった。脳室内投与では鎮痛効果は見られなかったが、移動距離は減少した。このことから、鎮痛効果は脊髄で、鎮静作用は上位中枢を介することが示唆された。
麻酔科学
α2δリガンドは、神経障害性疼痛の治療薬として広く使用されている。しかしながら、副作用として「めまい」・「ふらつき」などの鎮静作用があるため、慎重な使用が求められている。今回の研究で、鎮痛作用と副作用としての鎮静作用で作用部位が異なることが示され、より副作用の少なく、鎮痛効果の高い薬物の開発の可能性を示すことが出来た。