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2021 年度 実施状況報告書

直腸癌手術における電極付き尿道カテーテルを用いた術中排尿機能モニタリングの検討

研究課題

研究課題/領域番号 20K09226
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

阿部 龍一  奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (60542503)

研究分担者 高谷 恒範  奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (00736506)
植村 景子  奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (10645873)
林 浩伸  奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (30464663)
久下 博之  奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (30801774)
小山 文一  奈良県立医科大学, 医学部, 病院教授 (40316063)
川口 昌彦  奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60275328)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード術後排尿障害 / 術中神経モニタリング / 運動誘発電位 / 電極付き尿道カテーテル / 尿道括約筋
研究実績の概要

拡大郭清術を伴う直腸癌手術では術後排尿機能障害が高頻度で発生する。術後排尿機能障害は生命予後に直接的に関与しないため看過されがちだが術後QOLに関わる重大な問題である。我々は、尿道カテーテルに取り付けた電極を用いて経尿道的に尿道括約筋から筋活動電位を記録することによって排尿機能を評価する経尿道運動誘発電位(transurethral-MEP; tu-MEP)モニタリングを開発した。本研究では、直腸癌手術中にtu-MEPの記録再現性と術後排尿機能との関連を検討した。
【対象と方法】臨床研究審査委員会で承認されたのち、直腸切除術を予定された15症例(63±10歳、男性12症例)を対象とした。麻酔維持はプロポフォール(TCI 2.5-3.0 µg/ml)、レミフェンタニル(0.2 µg/kg/min以上)、ロクロニウム(4-6µg/kg/h)。術中の神経筋遮断レベルは、train-of-four(TOF)比を25-50%になるようにロクロニウムの持続投与量を調節した。MEPモニタリングの刺激条件は、300-400 V、5連刺激(500Hz)、刺激間時間、刺激時間とし、記録は尿道括約筋に加えて両側短母指外転筋、母趾外転筋で行った。尿道括約筋からのMEP記録のために電極付き尿道カテーテルを尿道内に留置した。tu-MEPの記録再現性は10回連続記録によって得られた振幅をcoefficient of variation (CV)よって評価した。またtu-MEP振幅の50%以上低下と術後排尿機能障害の関連性を調査した。
【結果】ベースラインtu-MEP記録は13症例(86.7%)で成功し、平均振幅は30±56 µVであった。10連続測定のCVは0.66であった。ベースラインtu-MEP記録が成功した13症例で50%以上の振幅低下を認めたのは3症例であった。術後排尿障害は3症例で認めた。術後排尿障害を検出するためのtu-MEPモニタリングの感度/特異度/陽性的中率は、全て100%であった。
【結語】術中tu-MEPモニタリングは再現性もよく、術後排尿機能との関連性も期待できる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

電極付き尿道カテーテルを用いて、尿道括約筋から再現性のある運動誘発電位が記録できることを15症例で確認できた。

今後の研究の推進方策

電極付き尿道カテーテルを用いることで尿道括約筋から運動誘発電位を安定的に記録できることが確認できたので、今後はさらに症例数を冷やして術後排尿機能変化と術中の尿道括約筋から記録する運動誘発電位変化の関連を調査する。

次年度使用額が生じた理由

コロナ感染関連の業務の増加、手術数の制限のため症例を蓄積するのが難しかったため。
学会活動もコロナ感染蔓延により参加することができなかったため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 直腸癌手術における尿道括約筋から記録する運動誘発電位モニタリング2022

    • 著者名/発表者名
      林浩伸、大井彩子、植村景子、阿部龍一、川口昌彦
    • 学会等名
      日本神経麻酔集中治療学会

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公開日: 2022-12-28  

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