研究課題/領域番号 |
20K09226
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
阿部 龍一 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (60542503)
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研究分担者 |
高谷 恒範 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (00736506)
植村 景子 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (10645873)
林 浩伸 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (30464663)
久下 博之 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (30801774)
小山 文一 奈良県立医科大学, 医学部, 病院教授 (40316063)
川口 昌彦 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60275328)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 直腸癌 / 手術 / 術後排尿障害 / 術中神経モニタリング |
研究実績の概要 |
直腸癌手術においては局所再発を回避するために拡大郭清が行われ、直腸癌手術成績は向上してきた。しかし、その反面で術後排尿障害が高頻度で認められるようになり、その発生率は16-23%と報告されている。排尿障害は生命予後に直接的に関与しないため看過されがちでしが、術後生活のQOLに関わる重大な問題である。本研究では、直腸癌手術中に尿道括約筋から筋電位を記録することで、排尿機能の評価を行ってきた。尿道括約筋からの電位記録のために電極付き尿道カテーテルを用いた。対象は15症例で、年齢は63.1±9.6歳であった。ベースライン電位の記録は15症例中13症例(86.7%)で成功した。その平均振幅は、30±56µVであった。手術終了時に尿道括約筋からの電位が50%以上低下したのは3症例で、その3症例全てで術後排尿機能障害を認めた。術後排尿障害を検出するための感度、特異度はともに100%であった。術中に尿道括約筋から比較的安定して電位記録が可能で、術後排尿機能との関連を示すことができた。本手法による術中排尿機能モニタリングは、直腸癌手術だけでなく、術後排尿機能障害リスクが高い他の骨盤内手術(広汎子宮全摘出術、前立腺切除術)、腰仙部の脊椎脊髄手術(二分脊椎による脊髄髄膜瘤閉鎖術、脊髄脂肪腫切除術、硬膜内脊髄腫瘍切除術、脳性麻痺に対する選択的後根切除術など)にも応用できるかもしれない。 現在、英語論文を作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
データ収集が終了してからの論文作成の進行が、日常臨床業務が多忙のため、遅れています。
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今後の研究の推進方策 |
時間を作って論文作成を進めます。
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次年度使用額が生じた理由 |
英語論文が未完成なので、英語校正を業者に依頼できていないため。
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