研究課題/領域番号 |
20K09230
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
小高 光晴 東京女子医科大学, 医学部, 臨床教授 (90280635)
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研究分担者 |
宮田 茂樹 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 客員研究員 (20239411)
小亀 浩市 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (40270730)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 冷蔵血小板 / 心臓血管手術 / 多発外傷 |
研究実績の概要 |
現在心臓血管手術にて血小板輸血(以下PC)が必要な症例を対象に研究を昨年3月より開始した。 心臓血管手術中人工心肺離脱の後、かつPC投与直前のタイミングで採血を行なった。コントロール、常温血小板投与、冷蔵血小板投与の3グループのスピッツを 用意し、各グループ3種類のスピッツ(血算、凝固因子、Thromboelastometry)、合計9本の試験管に患者から採血した血液を分注した。 主要測定項目はヘモグロビン、血小板数、第5、8,13,フォンビルブラント因子活性、フィブリノゲン、ThromboerastometyにおけるADP受容体活性、アラキドン 酸活性などである。以上の項目をPC投与前コントロール、常温又は冷蔵PC投与後の3群で比較検討を行った。現在症例数は13人であり、各血小板製剤の検査結果比較を行っている。冷蔵血小板製剤の方が常温製剤に比べてトロンボキサンA2受容体活性が有意差をもって温存されていることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍による心臓手術症例の激減に伴い研究進行はやや遅れている。心臓外科手術を中心に既に研究を開始したが、症例数は13例とまだ少ない。しかし、測定項目の選定や採血時期の選択などはほぼ確立され、研究としては順調に進行している。また、有意差もすでに認められているので、目標である20例まで2022年度中には終了予定である。
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今後の研究の推進方策 |
現在心臓手術を対象としてデータを収集しているが、ノウハウが確立されれば、2番目の対象である多発外傷患者を中心にデータを集めている予定である。救急 患者は心臓手術とちがい、救急車にて来院することが多く、研究用血小板製剤を予定して準備することが出来ない。日本赤十字社と相談し、特に多発外傷患者に 対してどのように常温・冷蔵血小板を用意してもらうかが今後の課題であり検討を要する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍における症例数の減少、測定試薬の生産の遅延などにより、当初の計画よりも研究進行が進んでいない。従って試薬や測定用カートリッジ等の備品の消費が進まず、結果予算が来年度に持ち込まれる状況となった。
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