研究課題/領域番号 |
20K09232
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 秀典 日本医科大学, 大学院医学研究科, 研究生 (30221328)
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研究分担者 |
齋藤 文仁 日本医科大学, 医学部, 准教授 (20360175)
坂井 敦 日本医科大学, 医学部, 講師 (30386156)
丸山 基世 日本医科大学, 医学部, 助教 (60709757)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | HCNチャネル / microRNA / target protector / 一次感覚神経 / 神経障害性疼痛 |
研究実績の概要 |
難治性の神経障害性疼痛の治療標的としてHCNチャネルは有望であるが、HCNチャネルを発現する臓器に対する有害作用が、HCNチャネル阻害薬の鎮痛薬としての開発を妨げている。従って、新たな発想に基づいたHCNチャネル機能阻害が求められている。本研究では、microRNAが様々な遺伝子の発現を抑制する作用に着目し、microRNAによる特定のmRNAへの結合のみを阻害するアンチセンス核酸 (target protector) を用いることで、臓器特異的に発現するHCNチャネル調節サブユニットの発現を修飾し、一次感覚神経におけるHCNチャネル機能や神経障害性疼痛の抑制を試みる。本年度は、後根神経節に発現する複数のHCNチャネルサブタイプの発現分布や発現量をin situ hybridizationや定量的PCRにより測定すると共に、神経障害性疼痛における変化を明らかにした。また、核酸修飾したtarget protectorを神経障害性疼痛モデル動物へ投与し、疼痛行動やHCNチャネルの調節サブユニットの発現量を解析することでtarget protectorの核酸修飾による影響を検討した。さらに、HCNチャネル調節サブユニットの発現制御により痛覚過敏が発症し、複数のHCNチャネル阻害薬により痛覚過敏が減弱することを明らかにした。HCNチャネルを流れる電流(Ih)に関しては、神経障害性疼痛モデル動物から単離した一次感覚神経を用いて電流密度や電位依存性を解析した。これらの解析を通して、target protectorによるHCNチャネルへの影響や治療薬としての可能性を検討した。
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